2020.7.31 プライドと偏見(の中の、日本酒)。
昨日の深夜に思い浮かんだアイデアをちょこっと書いてみる。
きっかけはとあるコンビニに入ったら、結構日本酒のラインナップがよかったこと。ラインナップが良くて「あ、いいじゃん」と思って、その後「あれ?なんでコンビニに日本酒ちゃんと売ってないんだろう」と思うに至る。雑な提起ですが、アイデアの種だと思って聞いてくださいい。
いつから「コンビニにある日本酒」は固定化したのだろう。厳密に固定化しているのかは知らないけれど、大体似通ったものが並んでいる。ワインなんかに比べて種類も少ないような。
いわゆる「こだわった日本酒」は酒屋にある。酒屋でなくても、ちょっといいスーパーとか。コレあくまでかっこ付きね。コンビニに置いてあることが多い大手のお酒がこだわって無いってことでは断じて無い。(むしろ酒屋の流通とは違う少し不安定だったり雑だったりする流通のことを考えて安定した味を提供できるように工夫が凝らされていると思う)
けれども、それは本当によいことなのだろうか。
酒屋にも色々ある。革新的なところに保守的なところ、やる気のあるところ、ないところ。これは酒屋に限ったことじゃない(ので、もちろん酒屋の中にもそういう――あんまりもう売るための工夫とかしてない、って言ったら冷たいのか、ううむ――ところはあると思う)。
ということを踏まえてなのだけれど、コンビニにも「こだわった日本酒」が並べられてもいいのではないか。今は酒を造る人の技術はかなり上がっていると言われている。「日本酒は繊細だからちゃんとした流通、管理で、要冷蔵でお客さんに提供しなきゃならない」という声もある。それは一部の日本酒では確かなことだと思う。常温に半日置いておいたら台無しになるくらいの日本酒もある。
しかし、日本酒ってそれだけじゃない。常温やハードな流通環境に置かれても大丈夫な酒もある。最近はなんと「このお酒は常温でお願いします」とつくってる人自らが述べるような質のお酒も出てきた。
これは直ちに「常温やハードな環境に耐えられる酒をコンビニで売りやがれ」というのを言いたいがために書いているのではない。
やろうと思えばコンビニでも今までに置いてなかった日本酒を並べられるのではないだろうか、という思考実験(そんな大したもんじゃないけど…)である。
「なんで日本酒は酒屋や一部のスーパー、百貨店にしかこだわったものがおいてないのか」
「なんでそういう流通になっているのか」
「それって損をしている面もないだろうか」
などなどのことを考えたいのである。
コンビニって、今は弁当も冷凍食品もかなり研究されたものが市場に出てくるようになってる。しかも毎週、下手すると毎日くらいの勢いで新しいものがでてくる。日本酒って料理との相性の幅が広いんじゃなかったか。冬になればおでんもあるし、合わせようと思ったらなかなかいい感じに合わせられる気がする。
「いい日本酒はちゃんと説明して理解して買ってもらわなきゃダメだ」という声は上がると思う。それはわたし自身職場(酒屋)に行ってお客さんに説明しているし、あと一応酒蔵でも勤めていたのでよく分かる面もある。
でも、それは必須じゃない。
例えば自社でPRの動画――楽しく蔵人が酒を飲んでいるとか、農家さんが米を作ってらっしゃる様子だとか、なんでもよい――をつくって動画共有サイトにアップして、URLをQRコード化してラベルに貼っておくとか。
ラベルをもっと直感的に手に取りやすいものにして、まずはとにかく食卓まで上がれるようにするとか。
こんな風に今はできることがたくさんあると思う。
「でもやっぱりコミュニケーションが…」という面が譲れない人は、お気に入りの酒屋さんに行くのがいい。仙台に住んでいた頃自転車で週に1回は好きな酒屋さんに通っていて、とにかく酒について話すのが楽しみだった。うん、コレに関してはとても分かる。だからそういう方はそういう風に楽しめばいいと思う。
上記は大体が日本酒を普段手に取ることがない「ゼロ杯層」に向けて書かれている。まず一杯。これが大切なのだ。何を語るより、まず一杯。入り口に最高の酒があったっていいじゃないか。コンビニが入り口になれば、酒屋は別の努力をし始めるだろう。もっといい酒をどう売るか。うちにしかない酒を酒蔵とどう造っていくか。
結構、夢があると思う。たかがコンビニ、されどコンビニ。
今は「コンビニにある酒」というとどうしてもちょっとイメージが悪い。よかったらもっと買ってもらってるはずなので。けど、将来は変わってほしい。コンビニにあるってことで酒蔵が変な負い目を感じることがないようにしたい。今は現にあるように思える。特にプロ同士の間で。それはプライドか。偏見か。両方か?
――それ、要る?
ってことなので、一番偉大なお酒はふなぐち菊水ってことでOKですか?
OKですよね。乾杯。
酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。