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いつかのための詩集

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どこかで酒と出会うための詩集。
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2020年4月の記事一覧

2020.4.25 初夏田園に逝く

2020.4.25 初夏田園に逝く

でんえんに響くプルタブの音、おと

つちをいじる 粗さ 愛で方も知らず

風にまじっている黒ラベル

すりーふぁいぶ フィフティー

同じくらいの背丈を道に並べる

水死体の午後 悠然と

「これだけだよ 飲んでいいのは」

先生はよく笑う

日がかたむく前に見ておくのだ

ホワイトスリーブから

かおるものを

(水死体だけにかおるものを)

からっとした目の前の水田

ぼくたちがうかぶすいでん

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隅の詩

隅の詩

がすんがすんと突進して
何か悟った気になって
日が暮れればヴェールがはげる
若くして中年のお姫様 お日柄よろしゅう
ダンスステップでゆく街並みは
半テンポずれて見える
―どちらが
ととえていればステップなど
今日は酒が美味しいな
生卵が固まる前に
僕はきみの前髪を撫でる
固まったらきみを抱く
―好きかい、好きかい
ミスター・サニイサイドアップ
紳士たちをここに招いてくれ
今日のネオンは一段ときれい

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