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【漫画】栄養不良の二重負荷とは?ー新米国連職員のぱにゃにゃん日記 Vol.13

サバイディー!リョーヤです。

前回の「新米国連職員のぱにゃにゃん日記」では、ラオス料理、そして現地語を習得することの大切さについてご紹介させていただきました。

今回は、ラオスの栄養課題についてお話します。

ラオスの栄養課題については、以前こちらのマンガでも紹介しておりますので、あわせてお読みいただくとより理解が深まるかと思います!


「開発途上国での栄養改善」と聞くと、低体重や低身長などの栄養不足を想像される人が多いと思います。これらの課題がいまだ大きな比重を占めていることは事実である一方、近年は「栄養過多」の問題も増えてきています。

そしてやっかいなのは、栄養不足と栄養過多は同時に起こり得るということです。急性栄養不良や鉄分欠乏症などの低栄養(undernutrition)の課題に加え、過体重や肥満といった過栄養(overnutrition)の課題も、同じ地域内、家庭内、ときには同一人物内に存在しており、こうした低栄養と過栄養が混在している状況を「栄養不良の二重負荷(double burden of malnutrition)」と呼びます。

低栄養にも関わらず過体重になってしまう原因としては、砂糖の多い食べ物や飲み物(お菓子や炭酸飲料など)を多く摂取していることなどが挙げられます。

実際、ラオスの町から遠く離れた農村部まで行っても、スナック菓子や炭酸飲料は手頃な値段で売られており、子どもたちが食べ飲みしている姿もよく目にします。一方で、お肉や魚、野菜などの健康的な食事に必要なものは値段も高く、貧しい人たちにとっては簡単に購入できるものではありません。

こうしたその国のフードシステム、ときには地域全体やグローバルレベルでのフードシステムを健全な状態にもっていくことも、私たちの仕事のひとつです。具体的な対応策はたくさん考えられますが、例えば中南米の国を中心に「砂糖税」を導入する国も登場してきており、健康によくないものは価格を高くすることで、日常的に砂糖を摂取する回数を減らすということも行われていたりします。


ちょっと真面目な回となってしまいましたが、また定期的にラオスが抱える課題についてもご紹介できればと思っております。

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このマンガ連載は、食を旅するイラストレーター・マンガ家の織田博子さんにご協力いただいております。織田さんのプロフィールはこちら!