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【WEEKLY留学記⑳】(1/21~1/27)

今週の初め、今季最大級と言われた寒波がアメリカの東海岸をすっぽり覆いかぶさり、月曜日の最高気温はー6℃でした。

そんな日に外出しなければいいのだが、どうしようもなく食料が切れたので、往復で30分かかる大学最寄り駅近くのセブンイレブンに食料を調達することに。凍えるような寒さの中、急ぎ足で家に向かっていた帰り道にほっとあったまるようなことがありました。

後ろから来た車にクラクションを鳴らされ、何かなと思ったら、車を停めてフロントドアを開け、こんな寒い天気だから家まで送ってあげるよっておっちゃんが笑顔で言ってくれました。全然知らないおっちゃんだけど、こんなカッコイイことあるんだと思って。

歩いて15分の道を車で走るとほんとに一瞬で、雑談をするには短すぎる。ほんとはもっとそのおっちゃんと話をしたかったのですが、一期一会とはそういう事なんだろうな。

こういう事があると必ず「pay it forward」という言葉が頭をよぎります。どこでこの言葉に出会ったかは忘れましたが、アメリカの寄付精神を代表する考え方だと言われています。日本語にも「恩送り」というそれに対応する言葉があって、殊にアメリカ独特の文化ではないとは思いますが、やっぱり海外で見知らぬ人に親切にされると一層嬉しく感じます。


モロッコ、そして、ニューヨーク

冬休みの間にモロッコへ行きましたが、モロッコのマラケシュには素晴らしい日本人宿があります。

マラケシュを訪れる際にはぜひ立ち寄って泊まって欲しいんですが、そこで出会う日本人も面白い人ばかりでした。今から20年前のスマートフォンもまだ普及していない時代に、福岡の田舎町からアメリカのカンザス州に留学を敢行した、なんて話を聞くと、今の自分がどれだけ恵まれているか気づかされます。まだ当時は、アジア人に対する差別も根強く残っていたみたいで、大変だったようです。

その宿で出会って仲良くなった一人に、今度ニューヨークに旅行で行くという方がいて、今週ニューヨークでその方と二週間ぶりの再会を果たすことができました。旅先で偶然出会った人と、今度は自分の留学先で会うのは少し不思議な感じがする。

彼女はモロッコを離れた後、スペイン、アイスランドを巡ってからニューヨークに来たみたいで、そんな旅先の話で盛り上がりながら、自由の女神像の方に向かいました。

僕の場合はニューヨークに留学していると言っても、あの高層ビル群に囲まれているような生活をしているわけでない。東京で例えれば奥多摩や青梅のようなのどかな田舎町に住んでいるので、マンハッタン島のような都会に出る機会はそう多くはないです。その分、街に出れば探検するところは尽きないので、いつもシティに出掛ける時は小学校の遠足みたいにわくわくしていしまう。今回は初めて、遠くからしか眺めたことがなかった自由の女神を、実際に近くまで船で行って下から見上げることができました。

当時フランスが持っていた建築技術と、難航していた資金集めのためにアメリカが駆使したマスメディアの力が合わさって建てられた自由の女神は、建設時の1886年ではニューヨークで一番高い建物だったらしい。ヨーロッパから大西洋を渡って次々とアメリカへやって来る移民が、長い航海を終えて初めて見る自由の女神像はきっと希望そのものだったんだなと、約100年前にアメリカに来た人たちの気持ちをぼんやりと想像しました。

自由の女神像がそびえ立つリバティ島を出港した後は、すぐ隣にあるエリス島へ。移民局として機能していたここエリス島もアメリカの移民歴史を代表する重要な場所であり、1954年にこの島が閉鎖されるまでは、ヨーロッパからの移民は必ずこの島を通ってからアメリカへ入国しなければならなかったようです。現在のアメリカ人の5人に2人は、このエリス島を通ってきた移民を祖先にもつと言われています。

なんだろ。アメリカって”思ってる以上に”新しい国なんだな。

ひとりでは多分行ってなかっただろう自由の女神のクルーズにこうして行けたのも、モロッコでの偶然の出会いがあったからかなと思います。

そして彼女は今年からワーキングホリデーでドイツに滞在する予定です。もし機会があればぜひ遊びにいって、旅を通してこそのこういうゆる~い繋がりをどんどん増やしていきたいな。


初めてのフルマラソン

冬休みの最終日の日曜日は、ロングアイランドの小さなローカル大会のマラソンに参加しました。

中高の間、5年間陸上競技をやってたけど、42.195kmのフルマラソンを走るのはこれが初めてです。正直、走る前は完走できるかどうかめちゃくちゃ緊張してました。でもいざ始まってみるとそんな心配は忘れ、練習でひとりで走る時はちょっと寂しかったけど、みんなで走るって結構楽しいもんです。

走り出しは順調でした。

このグリーンライトのおっちゃんと途中までずっと一緒に走ってました。キロ5分をみっちり守る心強いペースメーカーです。

でも、30kmを越えるあたりから急に足が死ぬ。(もはや顔芸)

大学生の間、せめて人生のうちにはマラソンを完走してみたいなと前々から思っていたのですが、まさかそれをニューヨークでできるとは留学前は想像していませんでした。

結果。3時間50分8秒で、初めてのマラソンを4時間以内でゴール。素晴らしい。


一番驚いたのはこの大会のサービスの良さ。

たしかに参加者は300人程度の小規模なローカル大会ですが、細かいところまですごい気を配ってるのがよく分かります。レース開始前はカイロを無料で配り、レース中は色んな飲み物やスイーツを用意してくれている。こんな感じで写真も取ってくれ、後にFacebookでアップしてくれるので、携帯がないぼくにとっては天使でしかない。終わった後は参加者全員にメダルとガッツリのお昼ご飯を用意していて、それでいて参加費はたったの3000円。大阪や東京も大型マラソンだと参加費で一万円近くかかっちゃうので、この大会はほんとにお手頃価格。


長距離走のペース配分はその人の性格を表すと思っていて、自分の場合はいつも前半を飛ばして終盤が尻すぼみになってしまいます。それもそれで性格なので好意的に受け止めながら、それでもって全体のペースをコントロールできたら、走ることを生活にも活かすことができるんじゃないかなとも思ったり。こっちでは春学期が始まります。夏休みが始まるまでバテないぐらいにぼちぼちやってみようかな。


来週はニューヨークに来てからで見つけた、アートとサイエンスの話を書けたらなと思います。

では良い一週間を!



君に幸あれ!!!