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「水音」/ 詩



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窓を打つ 大粒の雨

そんな数多の雫が

いつしか幻の瀬を生み出し

街はまるで

夜の水底




しっとりとして 

滴るように繰り返す

静謐と 躍動



解けては また結ぶよな

螺旋を表現する

流れと 巡り





気がつけば

すっかり水の気配に包まれて



那由多




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立ちのぼる気泡を捕まえて

水面に顔を出せば

風も 賑やかに




さざ波を生み出し

水草を揺らし

ゆうらり

尾をなびかせて

夢の続きを見ようとしている





街はまるで 夜の水底

幻の瀬に浮かぶ 

小さな洲に立ち

絶え間ない

水音を聞いている





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