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地方大学生のぼやき#25「14歳の栞と月がきれい」

先月に「14歳の栞」という映画を観賞しました。昨年の3月に上映していた頃から知っていたのですが、観にいくタイミングがなく奇跡的に再上映をしてくれたので観にいきました。この映画はとある中学校の2年6組全生徒35名に密着したドキュメンタリー映画です。確か映画を制作するにあたって監督さんは300校ほど依頼をしたらしいのですが、そのうち許可がおりたのが3校、公立中学校は1校だけだったそうです。

映画では生徒一人一人にインタビューを行い、一人一人の学校生活の様子がスクリーンに映し出されていくのですが、人によっては部活だったり人間関係だったり恋愛模様だったりプライベートだったり焦点が異なっています。

もちろん僕自身中学生を経験しているので、中学生の等身大の姿を見ると「あるある〜〜〜」と共感してしまう部分が多かったです。また共感すると同時に、「中学生の頃こんなに自分の気持ちや思考を言語化することできたっけ?」とか「そもそも中学校の頃何考えて生活してたっけ?」とか「一回も話さなかったあの生徒は自分のことをどのように捉えていたんだろう」とか考えたり、中学生の物事をストレートに捉えたり行動していたりした「あの頃」の自分を思い出して変な感情になってしまったりしました。

この映画は、35名全員に密着しているので、映画を観る人によって感情移入する人が異なったり、自分の経験と照らし合わせて自分なりの角度で映画を捉えることができたりするので、そこがこの映画の面白いところです。学校が楽しかった人も、密かに傷を抱えていた人も、部活に恋愛に勤しんでいた人も全員に見て欲しい作品だなと思いました。この映画は、生徒がインタビューに対して赤裸々も赤裸々に本音で答えていることから、配信も円盤化も難しいと思うので劇場でしか観ることができません。首都圏だとまだ上映している劇場があると思うので良かったら見て欲しいなと思います。

話は変わって、昨日「月がきれい」というアニメを観ました。僕自身このアニメを観るのは2回目なのですが、2回観賞しても文句のない素晴らしいアニメ作品だなと思いました。物語の舞台は川越にある中学校で、中学3年生の文学少年と陸上少女の恋愛模様を描いた作品になっています。この作品の良いところは、1話24分における満足度が高いところと、恋愛だけでなく部活の様子、家族との距離感、受験などの要素も丁寧に描かれているところです。あと途中の挿入歌もいい。ELTの「fragile」のcoverが流れたシーンは最高だった。

この作品も中学生の等身大の姿が上手に描かれています。プライベートでファミレスとかスーパーで家族といるところ見られるの恥ずかしかったなあとか、好きな子とのLINEで一喜一憂したなあとか、感情の赴くままに行動していたなあとか、好きな子のために部活も勉強も努力してたなあとか、親と受験で揉めたなあとか、こちらの作品も自分の経験と照らし合わせてみるととてもノスタルジックで虚無的な感情に襲われます。僕は観賞後ずっと虚無感に襲われています。虚無感に襲われますが、こちらの作品もぜひ見て欲しいなと思います。

最近、iPhoneの写真フォルダの中学、高校の頃の写真を見返すことが増えたり、中学の頃に聴いていた音楽を聴き返したりアニメを見返したりする機会が増えました。やはりそれらに触れると当時の雰囲気が鮮明に自分の中に描き出されるので、自分の中でも色々なことに努力して生きていた頃なんだなと改めて認識します。

じゃあ現在はどうかというと当時のような真っ直ぐな姿勢はなくなっているなあと。だから現在の自分の姿で足掻いて頑張らにゃいかんと思うのです。とりあえず自分の尊敬している人たちのような大人になるために、生きていこうと思います。

現在を生きるのも大事ですが、過去を振り返るとまた新しい視点や考えが生まれるかもしれないのでたまには振り返ってみるといいと思いますよ。そんなことを感じさせる二作品でした。


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