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【太陽光発電】PPAモデルの意外なメリット(設計者目線で)

本日はオンサイト型PPA(電力購入契約)モデルによる太陽光発電設備の導入事例についてご紹介したいと思います。

Looopと中電Looop Solarが、タムラ製作所の事業所屋根上に、オンサイト型PPAの太陽光発電設備310.5kWを設置した、という内容です。

最近流行りのPPAモデルで、特別珍しいというわけではないのですが、記事に載っている写真を見て気付きました。

真ん中の一段高くなってる屋根の影が、思いっきりパネルにかかってる………。

おいおい、発電量落ちるやん。大丈夫かよ。
と一瞬思ったのですが、よくよく考えると、PPAだからいいのかーと納得しました。

通常、太陽光発電設備をお客様に買ってもらう場合は、影がかかる場所にパネルを置くような設計は基本的にしません。

それは、買ってもらう前に発電シミュレーションをお客様に出して、年間これくらい発電するんで投資は何年くらいで回収できますよ〜、という話をするからです。

実際に設置して、発電量が少しでもシミュレーション値を下回ると、「話が違う!影のせいじゃないのか!なんとかしろ!」となる可能性があり、
例えそれが影のせいではなかったとしても、トラブルの原因になってしまうんですね。

一方、PPAは電力購入契約といって、無償で太陽光発電を設置して、そこで発電して「自家消費した電力量」に対して利用料金を支払う契約になっています。

つまり、普通に電力会社から電気を買って、電気料金を払うのと同じなんです。

多少影がかかってパネルのパフォーマンスを100%引き出せていなくても、お客様が損をするわけではないので、特にトラブルにはならない、というわけです。

設計者はトラブルを避けるため、日影図の作成に時間をかけたり、かなり影を意識して設計します。

そういったストレスが軽減される点は、PPAの隠れたメリットだなぁと、この記事を見て感じました。(メリットを感じるのは設計者に限定されますが😅)

ちなみに、パネルの種類や影の濃淡にもよりますが、年中影がかかるわけではなく、例えば冬場の午前中だけかかる程度であれば、80%くらいは発電するというのが私の肌感覚です。

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