確立されているライフ・サイクル8段階

引き続き、ビジネス心理学を勉強中でござる。心理学は以前から興味のある分野でかい摘んできてはいたが、そこまで集中的に学んだことはなかったと思う。大学では法学部だった私も、自由講義で心理学など受講して楽しんでいた学生時代を思い出す。

ビジネス心理学の良いところは、浅すぎず深過ぎもなく、怪しくもなく宗教的でもなく無駄でもない知識を体系的に得られるところだ。とっとと基礎心理検定を取得して次なるマーケティングコースに行きたい。

今回は、ライフ・サイクル8段階に触れていきたいと思う。自己について語っている章で登場するワードなわけだが、これがまた自分の中にある不安を吹き飛ばしてくれた。概要としては、人間の誕生から死に至るまでのライフ・サイクルには8段階に分けられ、それぞれの段階には(もう既に)陥りやすい心理社会的危機があり、それらに対して取り組むべき課題が存在、提案されている。

つまりは、我々は自分なりにはじめての人生を全うするために生きようとしているが、実のところ何千何億という人たちが通った道であり、自分なんかより頭の良い学者・研究者たちが問題点・課題点・危機といった状況を整理して、それらに対する打ち手、取り組むべき対応が存在しているのだ!要するには、RPGでいうところのマニュアル本だと考えてもらっていいと思う。正直ゼロベースで悩む必要なんてないのだ。先輩たちが徹底的に研究に研究を重ねて導き出したステージごとの課題と危機として結論付けられ、従順に対策をアクションすればいいだけなのだ。それは退屈だろうか?いや、使えるものは使うべきだ。それが有益な情報なのであれば尚の事だ。

ライフ・サイクル8段階とは。

それではそのライフ・サイクル8段階とはどういうことなのだろうか。それらを文字で書くよりグラフィカルにお伝えしたほうが良いと思い、画像を探したところ綺麗にまとまったイメージを見つけたので引用する。

■ ライフ・サイクル

画像1

人生100年時代と言われるようになった現代ではあるものも、大部分は通ずるものがあると思われる。0歳から65歳以上のライフステージを分けて、各ステージごとに重要とされるキーワードが右側の黄色箇所で掲げられている。

詳しい内容は、上記サイトで参照していただければというところだが、確かに自身を振り返ってみてもこれまでの年齢(ステージ)ごとで抱いていた悩みとマッチしていて驚愕した。自分特有だとばかり思っていた不安・悩みがこのように教科書に乗っているのだ。こんなことがあっていいのだろうか?悩み無駄この上ない。

このライフ・サイクルで興味深かったのが各ステージごとにポジティブ面とネガティブ面があるということ。さらに言えば、このポジティブ面(左側)がネガティブ面(右側)を上回っている状態でなければ次のステージへはいけないようになっている。特に特筆したいところは、思春期・青年期から成人期初期へステージアップする際に乗り越えておくべきハードルとして「自己同一性>役割拡散」である。

成人期初期(22〜40歳)の幸福・愛について。

成人期初期ステージでは幸福を愛のある状態としていて、この愛を実感するには親密性を会得していなければならず、親密性が確立されていない状態で、成人期初期ステージに入ってしまうと課題である孤立に悩まされることになる。

この「親密性」の基盤は、前ステージで「アイデンティティを確立」していることが重要であり、役割拡散の意識からオリジナルな自分の考えや価値観、思想がある程度自分のものとして確立されている状態です。これが会得されていないと価値観の違った他者や異性と語り合うことが難しくなってきます。 自我が曖昧で脆弱であると相手に過度に依存したり、相手に妥協する形の付き合いとなってしまいます。(心当たりがないでしょうか・・・?) その結果、自己が傷つく、もしくは喪失してしまうという恐怖のために、対人関係に深く関わらず、回避や距離をとることになってしまい、「孤立」に陥ってしまうのです。

そのためには、しっかりと自我同一性を確立するためのプロセスを通じて、「親密性」を築く体験が「孤立」に陥る体験よりも上回っている必要があります。さすれば「幸福感や愛」という「人格的活力」(よりよく生きていくための力)が備わるのです。 積極的に社会に入り込み、他者から求められている自分の役割を知ることで、自我同一性の確立をしていくのです。

自我同一性(=アイディンティティ)とは何か?

ではそもそも、自我同一性が何かを理解している必要がありますね。本書内では下記の3点で定義づけされてました。

・身体的にくつろいだ感覚
・自分が今、どこへ行こうとしているかが定まっている感覚
・自分にとって重要な他者が自分に何を期待しているのか内的確信を得ている感覚

ワタシ的な解釈としては、「社会の中で(親子関係、兄弟関係といった小集団の段階から、学校、会社、国家、人類といった大きな集団においてまで)自分という存在がどのような役割をすべきで、求められていて、どうしたいかを己自身で理解・把握している状態」がアイデンティティの確立なんじゃないかと理解してます。

そのためには、社会に入り込み社会的比較を経ていくステップが必須となると思います。このステップをサボってしまうと幸福=愛を得ることができず、今後の壮年期や老年期の危機を乗り越えることができなくなってしまいます。早々に社会に馴染んで行かないと、手遅れになってしまいますね。

最後に。

老年期、つまりは生涯の最終段階での危機(RPG的にはラスボス)は、テーマとしては知恵とされている。この知恵というのは、自分自身の生涯を振り返った際の統合的な受容であると理解してます。 対立項としては、自我の統合 vs 絶望です。イメージとしては、ベッドの中でこれまでの人生を振り返ったときに良きことも悪いことも統合的判断をして、良き人生だったと死ねるかどうかですね。

各段階のライフサイクルでのポジティブな力がネガティブな力より少しでも上回り、人格的活力を得たプロセスを経験していくことが最終的に「自我の統合」を獲得できるのでしょうな。

Game Completeしていきましょう!

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