私はあなたのようにポジティブにはなれない。
「私はあなたのようにポジティブにはなれない」
これは高校生のとき3年付き合っていた彼女に言われた言葉だ。この言葉に18歳の僕の心は大きく揺さぶられた。私立の一貫校に通っていた僕たちは、受験しなくてもそのまま大学に進学することが出来た。でも「生真面目」だった僕たちは、同級生の9割がそのまま付属の大学に進学するなかで受験という道を選んだ。そんなストレスの多い状況で、彼女は付き合った当初より体重が15キロ落ちていた。そんな彼女に当時言われたのが「私はあなたのようにポジティブにはなれない」という言葉だった。学校終わりにそれぞれ塾に向かう帰り道で言われたこの言葉は、僕の心に焼き付いた。(その後彼女は無事に第一志望に現役合格し、健康を取り戻し元気に暮らしている。)
この秋開催されたnoteの読書感想文コンテスト「#読書の秋2021」の課題図書に、僕の書いた『いくつになっても恥をかける人になる』を選んでいただきました。コンテストの副賞として、投稿いただいた感想へのアンサーnoteをいま書いています。
まず貴重な時間を使って僕の本を読んでいただいて、感想まで書いていただいた皆さんに心から感謝します。ありがとうございます。TwitterやInstagramでいただいている感想やYouTubeの解説も全て目を通しています。本当に励みになります。
読書感想文コンテストで選ばせていただいた感想noteが、うきまろさんのコチラ。うきまろさん、素敵な感想ありがとうございます!!
冒頭で高校生の頃の昔話をしたのは、うきまろさんの感想文を読んで「私はあなたのようにポジティブにはなれない」という、あの時の言葉が蘇ったからでした。確かに本書では、恥を分析解明することと、個人の恥のタイプ別の対処法にフォーカスして書いていましたが、内向的か外向的かという視点では整理していませんでした。これはいい機会だと思い、改めて自分の整理のためにも、彼女に何と言ってあげればいいか分からず立ち尽くしてしまった高校生の自分のためにも、一度向き合ってみたいと感じたのです。
外向的な人、内向的な人はいるのか
外向的、内向的という言葉の意味を改めて調べると「外向的=興味関心が自分以外の物事に向かう」「内向的=興味関心が自分自身に向かう」とありました。これを見たときに思ったのは、そうなると
そもそも「外向的な人」「内向的な人」っているのか?
ということです。「外向的に見える人」と「内向的に見える人」はいるかもしれないですが、誰しも「外向的な側面」と「内向的な側面」を持ち合わせているのではないかということです。ポジティブな面もネガティブな面もあるということです。これはポジティブが良い、ネガティブが悪いという「良し悪し」ではなく、事実として自分って思った以上に多面的だなと思うわけです。僕たちは外向的と内向的のグラデーションの中にいて、ポジティブとネガティブのグラデーションの中にいる。少なくとも僕は比較的周りからは「外向的」で「ポジティブ」に見られている気がします。でも自分で自分のことを外向的だったりポジティブだと思ったことは一度もありません。悩むことも多いし、恐怖心もあります。なかなか行動に移せずに「ああ今日もあれとこれとそれをやらないまま終わってしまった」と思いながらベッドに入ることの方が多いです。つまり、「外向的な人」「内向的な人」という概念はそもそも存在しないのでは?と思ったのです。
「いやいや、だからそういう”外向的とか内向的とか、なくないですかぁ?”ってスタンスが外向的だしポジティブなんですよ」というツッコミも聞こえてきそうですが、わたしたちは誰しも多面的です。そしてその面はサイコロのようにコロコロと変わります。確かに外向的なサイコロの面が多いからその面が出やすい人、内向的な面が出やすい人はいると思います。大切なのは、その自分というサイコロがどんなサイコロなのかを認識して、自分でサイコロを転がすことなんだと思います。
うきまろさんも書いてくれていますが、何を恥ずかしいと感じるかは人によって驚くほど変わります。書籍をベースとして、恥克服ワークショップを企業研修などでやる機会も最近増えましたが、同じ仕事を共にしているメンバーであっても参加者の方々が感じる恥の原因はそれぞれ異なるのです。bそれくらい恥は複雑で多様だとも言えます。(僕は恥は大きく6つの種類に分けられると考えています。詳しくは書籍の解説ページをご覧ください)
恥の本を書いて、「恥研究家」という肩書を自分でつけた僕ですら、今でも恥ずかしくて躊躇してしまう瞬間は毎日訪れます。それくらい恥という感情は根深く、強敵です。わたしたちの行動を妨げる恥。その恥をポジティブに捉え直すことができると、もっと前向きに新しいことに取り組める気がします。
もしかしたら、恥をポジティブに捉えている人が、周りから「外向的に見える人」なのかもしれません。
「僕もあなたが思っているほどポジティブではない」
15年以上経って振り返ると、あのとき彼女の言った「私はあなたのようにポジティブにはなれない」という言葉に対して、「僕もあなたが思っているほどポジティブではない」と今は思います。(あっ別に、言った本人や同じように感じている人に反論したいということではありません。念の為。)
外向的、内向的。ポジティブ、ネガティブ。どっちが良くて悪いということでもないと思っています。内向的な面をたくさんもつサイコロさんは、無理にポジティブな面を増やそうとしなくてもいい。そして逆もしかり。それよりも、自分の多面性を受け入れる「自己受容」が大切だと思うからです。
書籍では、自分の行動を邪魔する恥という感情を6つに分類し、それぞれに対する対処法も書いています。興味もっていただけたら、是非手にとってもらえると嬉しいです。
恥と向き合うためのオンラインコミュニティ「恥部」(恥部)も主宰してます。本が自分の「恥と向き合うキッカケ」だとすると、オンラインコミュニティは「恥を乗り越える行動する場所」にしたいです。ご興味あったら覗いてみてください。
https://www.hajiwokakeruhito.com/chibu
最後に、うきまろさん含め今回感想を投稿いただいた全ての人に感謝と愛を送ります。ハグ!ラブ!本当にありがとうございました。
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