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今回は”道徳”で…僕が子どもたちに残せるもの

小学校での授業前、ボクの心の中はいつも「今日は何して遊ぶ?^^」

そんな心境です。

この時ばかりは執筆家としての”私”でもなければ、普段の話言葉としての”僕”でもない。より親しみを込めた、みんなに近い存在としての”ボク”。

こうして書き起こしてみても、なんだか優しい感じがするでしょ。特に小学校、まして低学年ならなおさら、まず目で見てすぐにわかるくらいの優しさが必要だと思っています。

「ちがうけどこわくない!」 まずはそこが伝わればOK!!

今回は本当に久々の低学年。単発授業で2クラス分の”道徳”を任せていただきました。どうしてそんなことになったのかというと、4年前に知り合い、今では親友となった1人の先生の、熱く優しい想いが学校を動かしたから。

「(子どもたちのためにも)学校にはいろんな大人がいた方がいい」

学校と地域をつなぎたいと願うその先生と出会ったのは、乳幼児から小学生くらいの親子が休日をともにする遊び場。一緒にお子さんをあやしながら意気投合し、それから間もなく、間近に迫った【オリンピック・パラリンピック特別授業】として4年生の総合学習(※総合的な学習の時間)のゲスト講師に抜擢していただいたのが2018年の10月。

そして今回。再びご縁をいただき満を持してご自身が受け持つクラスに、”先生”として出向くことになったのです。でも、親友であり尊敬する先生の足元にも及ばない。むしろ天狗になっていたらすぐに足元を救われてしまう。

…ということで、今回もボクの立ち位置は『なんでも聞けるお兄ちゃん』に決定!どこまでも子ども目線でふれあうことにしました。


「ちがうけどこわくない^^」は、子どもたちとともに目指す”究極の着地点”です。

当日資料全部見せ!(ダイジェスト)

ここからは、実際に行った授業を簡単な解説つきで振り返ります。

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授業のタイトルは『まわりにいる  いろいろな人』

ボクと同じところ、ちがうところをさがそう!がコンセプト。

低学年の場合、特にテーマをしっかり伝え、何度も何度も繰り返してやることを伝えていく必要があります。興味・関心を持続できるように随時アクションを入れながら。

だから、授業のタイトルやテーマ、キーワードはその都度、子どもたち自身に読んでもらいました。

やっぱり初めは【かわいそう…】【大変そう…】が大勢を占めますが、こちらとしては慣れたもの。こうした素直な反応を見る度に微笑ましくなりますが、そんなリアクションをどう好転させていくかは自分たちの腕の見せ所ですね!

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(休み時間をともに過ごしたこともあって)本題最初の問いはスポーツから。

写真の効果もあってか、全体の7割くらいの子どもたちが「(りょうも)スポーツができる!」と回答。さらに、「できるスポーツ」としてバスケ・サッカー・バドミントンなどメジャースポーツが挙がる中、やがて自主的に【車椅子バスケ】【車椅子サッカー】【車椅子バドミントン】というワードが飛び交うように。これには正直、担任の先生と一緒に驚いていました。

※やはり昨年の東京パラリンピックの影響か、【ボッチャ】を知っている子も多かったなぁ。今も昔もテレビの影響力の大きさを感じつつ、ここまではあえて”ちがい”を強調して進めていきます。

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そしてここからは”同じ”にも目を向けていきます。すなわち目の前にいるボクの日常を想像し、自分との共通点を見つける作業。

言うまでもありませんが、赤の「話ができる」というのが子どもたちとの共通点。しかし、「みんなの前で授業ができる」というのはみんなができないことであり、りょうだからこそできること。子どもたちにとってはここで初めて立場が逆転するのです。(できないことだらけだと思っていた)りょうにできて自分たちにできないこともあるんだと。そして、これがボクの得意なことだとここで気付きます。

※「〜くんは〇〇先生に頼まれたら代わりに授業できる?」と聞いた時の子どもたちのちょっと悔しそうな顔、めちゃくちゃ可愛いです^^

その後は苦手なことを自信を持って披露(笑)

子どもにも問いながら自ら1人じゃないことに安堵して見せた後は、彼らに「〇〇できる?」と好きなだけ質問を出させます。そしてその度に「〇〇くん(ちゃん)は1人でできる?」と投げ返し、同じところ・ちがうところを整理しながら対話を深めていきます。

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そしてここが1番の”ちがい”。

仕事をしていることを告げ、みんなが生まれるずっと前から1人暮らしをしていることを明かします。「1人暮らしをしているんだよ!」と言ったら「家族いないの?」と言われました(笑)

プレゼントしたサイン本は”字が書ける証拠”として水戸黄門の印籠のように🤣

※ここでのポイントは「1人ではできないことも手伝ってもらえばできるんだ^^」と気付かせること。ここを押さえた上で短い時間の中でどうやって「自分で頑張る」ことの大切さをも伝えていくか。”叱咤激励(の役割)はふだん先生方が十分やっているはずだからいいかな”とも思いつつ、授業の中で2つのキーワードを両立させることが今後の課題です。

ヘルパーという仕事があることも、子どもたちにとっては新たな発見だったと思います。

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「できないことはお願いする」という視点だけにならないよう、「できることで貢献したいと思っているんだよ^^」ということもしっかり伝えました。

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この授業を通してたくさんの質問を投げかけましたが、常時挙がる手が途切れることはありませんでした。これはまるで、知らないことすべてが【世紀の大発見】のように映ってしまう低学年だからこその魔法。

「ボクにしかできないこと」を声を揃えて読んでくれた時には、僕が彼らの純粋という名の魔法にかかってしまいそうでした。

1人ではできないこともあるけれど、あなただからできることもある。

そんなこともまた、伝わっていたらうれしいな…と思います。

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そんな想いも込めて、「ボク以外のいろいろな人とも仲良くしてね^^」と伝えました。

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そして…。最後に同じ質問をしました。

すると、2クラス目では【かわいそう…】がゼロになり、2クラスともにボクを見て【楽しそう!】と答える人が続出。圧倒的多数になりました😃


確かに周りには色々な人がいるけれど、みんなみたいに純粋な疑問をぶつけてくれる大人が増えてほしい…!思わずそんなことを感じた2コマ90分授業でした。

今回も良質な御縁と繋がりに感謝します。学校関係者の皆様ありがとうございました。


これからもご縁を大切に、どこへでも…!


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