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ラーメンのブレイクは21世紀からだったとのこと。乗っかって、ラーメン奮闘記

時間が合う時には聞かせてもらっている #ミライカフェ でお馴染みの(?)徳力さんが、

こんな記事を書いてらっしゃったので乗っかり。
私が子どもの頃は、田舎というのもあったんだろうけど、ラーメン屋というのは数軒しかなかったなぁと。
町の中華料理屋で食べたり出前を取っていた印象。

1995年くらいには「飲んだ後のラーメン」というのが定番になっていた記憶。
「飲んだ後のラーメン」なら良いが「飲み過ぎた後のラーメン」ほど次の日キツイものはない。
今では「飲んだ後のラーメン」もキツイので「飲んだ後はラーメン食べない、ゼッタイ!たぶん…」という感じ。

美味しいラーメンを食べると幸せになる。
特に冬は、体もあたたまるし。
出先の打ち合わせが昼飯のタイミングだと、近くの美味しそうなラーメン屋を探す。
ラーメンが好きだから。
そんな私の好きなラーメン店ベスト5を紹介!
ということをやっても、まぁ、何をやっても誰も興味は持たないだろうけど、ラーメンを1年間ほど食べられなくなった思い出を残しておくことにした。

時は2002年頃。
徳力さんの記事にもある通り、21世紀に入ってちょっとしたころ。
全国のラーメン屋さんを取材しよう!みたいな仕事が発生。
もちろん、1社で全国を回れる訳もなく、数社でやるプロジェクトだった訳です。
所属していた会社(東京)の担当エリアは、東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木、群馬、愛知。
店舗数のノルマは東京100軒以上、神奈川50軒以上、その他の件は最低30軒以上。
期間は半年。
そして、担当は私1人。。。。

ゼッタイに無理!!!
ボスに相談して2人、契約で雇うことに。
予算とスケジュールを突き合わせると、首都圏は最低1日3軒、取材をしなければならない計算。
栃木、群馬、愛知は2泊3日で30軒。。。
厳しい。

業務開始後、大きな問題は起こらず進んでいった。
1日3軒のラーメン屋取材は辛い。味なんかわからない。
仕事の内容として、掲載許可と写真撮影、お店の特徴を原稿に入れる、という単なる情報の数を揃えることに必死。
問題の、栃木、群馬、愛知。。。

とりあえず愛知は私がチャレンジすることにした。
1日10軒。。。
とりあえず、取材日を決めてアポ取りを開始した。
10軒しかアポを取れなかった。

「飛び込みしかないな」

と腹を括り、いざ愛知へ。

アポを取っていた店舗はもちろん、飛び込みでお願いした店舗もみんな優しい店主ばかりでなんとか2泊3日で30軒の取材をこなした。

1日にラーメン10杯も食べたのか?

と聞かれることもあったが、そんなもの無理な話。3日連続だし。
取材する前に、

「こちらの都合で申し訳ございませんが、今日10軒くらい回るので、試食は味見程度で勘弁してください。時間もないので、食べながらの取材もご了承ください」

みたいなエクスキューズを毎回入れる。
半分くらいの店舗は、100%の理解を示してくれる。
残りの半分は、

「最近、取材受けても食べないで帰っていくヤツがいるんだよなぁ」

と、おっしゃる店主。
たぶん味見程度で許してくれるのだろうが、取材しているこちらとしては勝手に圧を感じて、完食せざるを得ない気持ちになる。
よって、5杯くらいは1日に食べることになる。

最悪、飛び込みでもなんとかなりそうだ、と思った愛知での1日目。
東京にいるスタッフに栃木のアポを取るように指示をした。
なるべく30軒全部アポを取るようにと。

東京に戻るとスタッフが栃木のアポが全部取れたと報告してきた。
確認してみると、

1日目7軒
2日目3軒
3日目20軒。。。

バランス!!!

「栃木って早朝から結構お店やってるんですね。なんとか取れました」

と、やり切った感を見せるスタッフ。

朝ラーという文化があるのはチラッと聞いていたが、1日20軒は辛すぎる。
それに比べて2日目の3軒って。
怒る気も起きない。アポの取り直しの方がややこしい。
決行してみることにした。
1日目、2日目はまぁ想定内。2日目の余裕ある時間で溜まっていた原稿をこなす。

地獄の3日目。
仕込み途中の朝6時から取材開始。
車で移動して30〜60分に1軒ペース。
常にお腹はいっぱいだし、もはや何を食べているかもわからない。
ただ塩辛い味のものを食べ続けている感覚。

無理してやってみればなんとかなるもので、21時頃、最後のお店を取材に。
そのお店のラーメンの特徴は、

「1杯で1日の栄養素の80%がとれる」

とのこと。
多分、もう足りてます、栄養素。偏ってるかもしれないけれど。
味見程度で許していただき、いざ帰路へ。
お礼をし、お店のドアを開け帰ろうとすると、店主(ご年配のお母さん)が、

「ちょっと待って!!」

と厨房へ行った。

「これ飲んで頑張って!」

と、リポビタンDを渡された。
帰りの運転を心配してくれたのだろう。ありがたい。
でもお腹はいっぱい、カロリーも栄養素も満たされている感じ。

「1杯で1日の栄養素の80%がとれる」というラーメンを作っている店主にもらったリポビタンDは開封されることなく東京着。

数ヶ月後、このラーメンプロジェクトは無事終了。

その日から約1年間、私はラーメンを避ける日々が続いた。

1日20軒のアポを取ったスタッフは正社員となり、
「いやー、ラーメンって美味しいですよね!」
と、ラーメンを美味しく食べる日々を送りましたとさ。

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