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医薬品業界終わりへの始まり?〜いつまで続く出荷調整〜

医薬品業界、大丈夫でしょうか?
現場から離れて1年近くになりますが、
まだまだ出荷調整は続いているようです。

ある製薬会社の医薬品に他の成分が混入していたことが事の発端。
当時はすぐに落ち着くと思っておりました。
他の製薬会社から薬を調達すればいいだろうと。
が、その後続々と出るわ出るわ。
国や都道府県の立入検査及び各製薬会社が自主点検を行ったところ
不正が多数発覚。
業務停止・改善命令により製造がストップ。
同成分の他社の薬に変更して対応しましたが
各会社も年間製造ベースがありますよね。
それを超える注文が入るため、結局は対応出来ず。
どんどん広がっていく出荷調整。

患者さんも不安になりますよね。
「今まで飲んでいた薬がなかなか入らなくなってしまい、今日のお薬は今までと同じ成分ですがメーカーが変わりました。成分は同じですので安心してお飲みになってくださいね。」
と話されても納得できないこともあるでしょう。
2〜3ヶ月したら、今まで出していた薬が入って来なくなるのです。
以前のメーカーの薬に戻るならまだしも、また違うメーカーの薬への変更もありました。
もちろん怒る患者さんも多数いました。
でも、どうしようもないのです。

これに追い打ちをかけたのが新型コロナによるパンデミック。
医薬品原料の輸入にも影響が出始めました。

当時は毎日大変でした。
「この薬も入ってこないの?え、あれも?」
「あの薬は絶対飲まないとまずいじゃない?」
こんなことを繰り返しておりました。
本来必要のない仕事に振り回され、神経をすり減らしていた毎日。
今でもそのような事が行われているなんて…
現場の皆さん、お疲れさまです。

少し前までは漢方薬が影響を受けていたようですね。
新型コロナに対する効果が期待できると。
私は漢方お勧め派ですので、
漢方が見直されるいい機会になったのでないかと思いましたが、
やはり製薬会社の製造ベースも決まっているので
なかなか対応は難しいと思われます。

現在の状況を見ると
新型コロナに対しての咳止め不足が顕著なようです。
さらに最近のインフルエンザの流行。
インフルエンザの症状にも咳があります。
もうなんだか踏んだり蹴ったり。
結局こちらも製造ベースが決まっているので
すぐに対応するのは難しいのでしょう。

https://www.mhlw.go.jp/content/001151689.pdf

厚生労働省も咳止め・去痰剤の処方を最小限にするよう通達した模様。

他にも原因は考えられます。
あまりにも低い薬価の薬。
作れば作るほど…
「あんなに使われていた薬なのに、無くなっちゃうんだ」
そんな薬も見受けられました。

そして

少量多数品目の製造ではなく
増産しやすくするなどの対策案を盛り込んだ中間取りまとめを
10月11日に公表した模様。
年内に報告をまとめるとのこと。
絞りすぎて何かあった時に対応できないなんてことにならなければ良いのですが。

薬価については考えていかないといけないのでは?
医療費削減は必要ですが…
薬価を低くし過ぎるより他に方法があると思います。

今飲んでいる薬、本当に必要ですか?
ポリファーマシー?
ここは薬剤師の出番かと思われます。
薬剤師の職能を活かした仕事が増えると良いですね。


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