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伝え育む店へ


伝える店へ
開店6年目の節目に緑友食堂は少し変わります。

カフェから、伝え育む店へ。 食べること、織る、縫う、住まうことなど、私たちが大切にしたい、次世代に繋いでいきたい知恵や 技を伝え育む店へ進化していきたい。

物も知識も新しいことが次々と現れては消えていく今、料理、手仕事、暮らしさ
えも少し昔のことがちょうど良かった。便利になって時間に余裕が出来るどころか、現実には何か に時間を奪われ、生きる術さえも失いつつあります。

その昔、農閑期に女性は内職として反物を
織り、裂き織りで古布を再利用し、男性は竹で翌年に使うかごを作り、傷んだかごを修理し再生。またその年脱穀した稲藁を使い、神様を自宅へ迎えいれる為のしめ縄やお飾りは家庭で 作る。そんなことが当然の生業でした。今の私達はどうでしょ う。何も作ることが出来ないどころか、失いかけていることを分かっていながら、目を塞いているだけ。自分達の生活を営 むための手仕事はいつからかすっかり商業主義に乗せられ、気づけば、微かな灯さえも消えて なくなりそうな知恵や技ばかりです。せめて生きる術を知ることで古きをたずねて新しきを知る。 温故知新をもとに次世代に繋いでいきたい心と身体が喜ぶ知恵と技を分かち合う場をこの築160 年の古民家緑友荘で、緑友食堂でここから5年の間に創り上げたいと思っています。

そのビジョンの中には、緑友が培ってきたパン作りと雑穀料理も伝えたい重要なこ との一つです。微生物を使って発酵させるパン作りこそ、次世代に繋いでいきた知恵と技が ぎゅっと詰まっていますし、私の作る料理の礎である「未来食つぶつぶ」、砂糖類を使わずに雑穀 と野菜、日本の伝統的な調味料だけで作る料理は、他に類をみない次世代に繋いでいきたい料理術です。

今年、「未来食つぶつぶ」の認定コーチとして活動を始めます。コロナによって、当たり前に出来 ていたことが当たり前でなくなったことで、より健康的でより良い生活を考える機会が増えました。 本当のことを伝えなければ人々の心に響きません。小手先だけのワークショップや講座ではな く、かかわる一人ひとりの人生に変化をもたらすような一瞬に立ち会えるように私達も常に真剣 にとり組みたいと思います。 ですが、あまり計画的にはしたくありません。形を定めずに、思いつくまま、出逢うに身を任せて 実践していこうと思っていますので、定まるまでは臨機応変に変容するかと思います。どうぞ都度 お付き合いいただけたら幸いです。

パン屋としては今まで通り、動物性食品、砂糖不使用の稀有なパンを作り続けます。緑友のパン は甘みを添加する従来のパンやお菓子の製法とは違い、酵母の力で甘みを引き出し、噛めば噛 むほど味わい深く、本当に美味しいものです。もっと必要な方々へお届けできるよう一層努力して いきたいと思っています。

「緑友食堂かていか部」今年の予定
✴︎綯う班 月一回 藁(わら)を綯う(なう)
✴︎織班 羊毛のプレイスマットの製品化
仕事、趣味、収入を循環させ自らの生活を豊かにする。
✴︎綿班 綿を育てて紡いで織る
 マハトマガンジーの「チャルカ」の思想と、綿を紡いで布を織る「カディ」の思想をたのしむ。
✴︎食班 なかじさんの「麹を育む3日間」
              未来食つぶつぶの料理教室