サカエさんの言葉を考える
ドラマ「不適切にもほどがある！」見てますか？
面白いよね～ 昭和と令和の違いをコメディ仕立てで知れるの。
その中にサカエさんという令和の社会学者の人が出てくるんですけど、その人が何話だかで言った「変わらないよねぇ、社会も自分も。（ニュアンス）」みたいなセリフがすごく個人的に刺さって、「うわぁー」って何とも言えない気持ちになって。
そのモヤモヤ？ふわっとした気持ち？を解き明かしていこうというnoteでございます！！ 個人の個人による自己満のためのnote！！！ 良かったら読んでいってね。
まず、サカエさんがこのセリフを言ったのは、子ども時代の自分を見てだった。彼女は現代社会において認められるべき男女同権・多様性・フェミニズム信者で、ドラマでは一応「不適切」を指摘する立場なんですよね。（最近はブレてきてるかもだけど、そこが人間らしくて良い。）
昭和の社会、人の見た目を笑いものにする連中、そいつらを懲らしめる幼きサカエちゃん。それを見て、社会学者となったサカエさんは「変わらないよねぇ」と言ったんですね。彼女にそう言わせたのは何だったのかしら。
社会学者・フェミニストとして生きるサカエさんは、こんな社会はいけない・世の中を変えたいって思いを持ってるんでしょう、当然。
その人が昭和にタイムスリップして、無法地帯的な日常を見たら、そりゃ落胆するし説教する、ていうか実際してる。
でもふと出た「変わらないよねぇ」には、何か諦めのようなものを感じる。
どれだけ言っても歩み寄らない人はいる、自分が全力で教え諭しても聞く耳を持たない人がいる。何なら、説教すれば「フェミはうるさいから苦手」「生きづらい社会になった」って言われる。それを全て聞いた上で、話し続ける職業なんですよね、社会学者は。
話し続けても状況が変わらないんだから、もっと続けるか諦めるか、どちらかになってくる。でもやらなきゃ変わらない。だから何十年も同じことを話し続けている。そのようなニュアンスなのかなと思いました。
サカエさんが38年前へ行って見た光景は、「男のくせに」「女のくせに」が飛び交う日常、工夫すれば見られる過激な動画、スキンシップという名のハラスメント、学力ではなく見た目で生徒の将来を語る教師、弱さが甘えだとみなされる環境、、、などなど。
これ全部、令和でも「無い話ではない」んですよね。減ったけど絶滅はしてない、38年あったのに。
それでも、サカエさんみたいな人が一つ一つに向き合ったんですよね。数々のめんどくさい・うるさい・生きづらいの声の中で何とかクリアした結果、令和では一応「多様性が大事」が念仏のように唱えられるようになって。今まで生きづらかった人がようやく息を吸えるようになって。
自分の判断が正しいかなんて何十年もたたないと分からないのに、何十年前から行動する人がいたってことなのよね、と改めて納得した。
それでも全く進歩してないこと、もっと進んでなきゃおかしいだろってことも多い。それを目の当たりにしたサカエさんは、つい「変わらないよねぇ」と言ってしまったのかもしれない。
理不尽に他人を下に見る人たち、一つずつネチネチ説教する自分。言っても聞いてないかもしれないけど、言いたいから言う、まずは目の前から変えなきゃだから言う。そして38年後の自分もそれを続けてる、という事実。
呆れのような、諦めのような気持ちになってしまいそう。だから出た「変わらない」という感想なのかもしれない。どれだけ社会に嫌気がさしてもきっと自分のやることは変わらないんだ、と悟ってるんでしょうかね。
おかしいことはおかしいと言いたいサカエさんだからこそ、昭和でも違和感を持ったらすぐに反論・抗議・説教しています。言って変わらなくたって、自分はそうやって生きていくんだよね。
めんどくさい社会学者として生きる彼女の寂しさも含んだセリフだったんだな～と思いました。口に出した時に笑顔だったのも、諦めと悟りと、自分のやることを再確認した上でのけじめ？ そういうものが表れてた気がする。
これがサカエさんの言葉に私が感じたふわふわだったみたいですね。多分。
彼女の人生がにじみ出たコメント。実社会でこう思ってる人たくさんいるんじゃないかな。
というかもうドラマ見てるときもそうだけど、今これ書きながら私は「サカエ」という社会学者としてしか考えてなかった。これ役柄じゃん、吉田羊さんじゃん。本当にそのキャラクターにしか見えないんだから、俳優さんってすごい。
上位に入るレベルで好きなキャラです！ このドラマはお小言ドラマじゃないから、サカエさんの社会を見る目がブレブレになってもOK！常に正しくいる人間は面白くないし、彼女は毎回魅力的なキャラになってると思います。
最終話まで楽しみだな～ 何度も見返して、疑問やもやもやが出たらこうやって考えてみようと思います。 ここまで読んでくださりありがとうございました～！