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コナンで泣けることを知った日

このタイトルだと「100万ドルの五稜郭」を観たと思うでしょ?まさかの「黒鉄の魚影」についてです。

・人生における名探偵コナン
まず私がどの程度コナンという作品に触れて生きてきたかを書きますね。
多分、小さい頃初めて読んだ漫画がコナンだったんじゃないかな。
家の階段に本棚が置いてあって、ドラえもんやサバイバルシリーズやらが並んでる横にコナンの1~5巻があった記憶。

よく階段に座って読んでたんだけど、なんせ5巻までしかないから初期設定しか頭に入らない(俺は高校生探偵工藤新一!幼馴染の毛利蘭と~より先の展開にちょっと詳しくなるぐらい)。しかも、5巻ラストはかなり続きが気になる終わり方をするから「これ続き気になるなぁ~」と思いながら1~5巻を何度も繰り返し読んでました(購入すれば続きを読めることを知らなかった子ども時代)。
アニメも見てて、好きなアニメといえばコナン!って感じだった。そう、あの頃はbzと倉木麻衣がコナン帝国の側近だった時代(言い方)。あとおばあちゃんの家に「時計仕掛けの摩天楼」のビデオがあって、それも何度も見てましたね。他のアニメにはあまり興味を示さなかった気がする。コナンに夢中になっていた私は、背後から近づくもう一つの大作・ワンピースに気がつきませんでした(?)。

小学校高学年ぐらいは、お小遣いで漫画を買ったりしてた。やっぱり面白いからどんどん読んで、アニメに出てくるこのエピソード・このキャラはここから登場するのか~って答え合わせしてた感じ。中学生になると皆好きなものが明確になっていわゆる「オタク」でいることを楽しむようになるから、私はふわっと「コナンオタク」をやってました。でも漫画とアニメを知ってるだけで全然詳しくなかったな(美術部だったから部員の子と「ウォッカのサングラスに隠れた目を考えてみよう」とか言って好き勝手に描いて遊んでた、ウォッカごめん)
漫画はね、80巻くらいまでは頑張ったと思うんだ。でもさ、コナンって終わらねぇのよ(褒めてる)。どこかで諦めてしまって、漫画アニメよりも映画(ありがとう金ロー)を優先するようになったな~ いつの間にか100巻超えてたぜ。。。あとコロナ前には映画も黒ずくめの組織関連・赤井さんやバーボン絡みのものがどんどん出てきた印象で、あまり黒ずくめの人たちのことを知らなかった(公安メンツやラムが出てきた辺りで諦めた)私は少しコナンから離れていきました。

高校生の頃はすっかり違うものにハマって、元々よく見てないアニメはさらに遠く知らない世界になりました。でもコナンの基本知識は知ってるし、たまに登場人物たちがどうなってるかを耳にはしてた。だから清水寺の修学旅行はさすがに見ました。「新一と蘭、やっとか」って思いました。そらYahoo!ニュースにもなるわ。自分が好きだったキャラたちがちゃんと成長してる感じで、めっちゃ嬉しかったな~ この頃からコナンが自分の中で殿堂入りアニメになった気がする、いつでも戻れる場所的な。

っていう感じで、コナンとは付かず離れず(ちょっと離れたかも)な関係で生きてきました。そして最近、6・7年ぶりにコナンをめっちゃ見てしまっている。きっかけは4月恒例のコナン祭りで、アマプラで過去の映画を何気なく見てみると「やっぱコナンいいな~」って思った。

そこで去年の「黒鉄の魚影」。
当時は映画館に行くこともなく、「あ、今年は灰原メインなのか~また黒の組織でややこしそ~」と思うだけだった。
で、今年になって見てみると、とんでもない名作だったんすよ。

・「黒鉄の魚影」は私でも見れた
さっきも書いたように、2014年の「異次元の狙撃手」あたりから映画での黒づくめ(または公安、赤井一家?)の登場率めっちゃ上がったじゃないですか。まぁ世良ちゃんとか安室さん自体は知ってるし、キャラ個人としての把握は普通にできてたんだけど、その周辺との関係性がそりゃあもう難しかった。特に警察学校編とかはあんまり分かってない、すみません。
個人的にコナンの映画ってアニメを見てなくても分かるものというか、でかい事件が起こってコナンがボールでやっつけて「いッけェーーーーーー!!!」の流れをイメージしてたから(一番好きなのはベイカー街。これは譲れない。)、漫画アニメの知識が割と必要な赤井一家や公安組の映画となると、ちょっとハードル上がっちゃったんだよな~。ファンの方からしたら読めよ!見ろよ!って感じだよね。

というまあ一種の惰性ともいえる理由でコナンを避けていた私でしたが、「黒鉄の魚影」は違った。私の知ってるコナンだった感動。

まず、この映画のメインは「灰原哀の成長」ですよね。
あらすじは私がここで書かなくてもいいだろうから割愛しますが、コナンって灰原のことめっちゃ大事なんだなって伝わってきた。恋愛的な何かや「守ってあげる存在」というより、仲間意識で「居場所を作ってあげたい人」なんだっていうのが丁寧に描かれてたと思う。

ここまで一人のキャラの成長に焦点を当てたのって珍しいよね?
最近の灰原は探偵団の保護者になってて本人もそのポジションに甘んじてる感あったから、18歳視点の灰原哀が見れてめ~ちゃくちゃ私得でした。
何なら17歳の新一蘭園子世良、18歳の灰原(宮野志保)で漫才やってるの見たい。この中の4人ともが蘭のこと大好きなの強いし、新一に戻ったコナンと宮野志保に戻った灰原が普通に高校生するの見たすぎる。名探偵コナン青春編お願いします。

・灰原哀というヒロイン(?)
そんな私はさ~、生まれてこのかた灰原からコナンへの好意は ”友情” だと思ってたわけよ~。
でも「黒鉄~」見たらさ、そんなこと言えなくなってくるよねェェェ(震)

映画見た方なら分かるでしょうが、灰原絶対コナンにぞっこんだよな??
ゑ?今まで気づいてなかったの私だけ??何かyoutubeのコメントとか見たら、灰原→コナンの恋愛感情説を唱えてる人けっこういるんだが??
と少々混乱もしているんですが、正直コナンと灰原は「仲間意識」的な関係だと思ってたので、個人的にこの映画でのコナン&灰原の描き方はけっこう思い切ったな~ってなりました。こんなんファン同士で思想の反発が起こり得るじゃん?あやうくヒロインポジになりそうだったよ?あの灰原。

まあでも灰原から見たコナン(との今までの思い出)ってすごく輝いてて、あ~この子普通に恋してるのかもしれないな~ていうか多分そうだな~って思った。灰原と話すときのコナン、イケメンで賢くてそれでいてサッカーバカで恋愛下手っていう、モテ要素と抜けてるところのバランスが素晴らしいので、恋するしかないのかもしれない。幾度となく吊り橋効果もあっただろうし。灰原哀というツンデレ?キャラが吊り橋効果でころっと恋してしまうの、とんでもなく人間味があって最高。

ラストには、灰原名物「蘭に譲るときの笑顔」が見られて感無量でした。あなたはいつもそうだよね。蘭のこと新一と同じくらい大好きだもんな。灰原が小学生してくれてるおかげで今の関係性だけど、灰原が元の年齢だったらオタクたちはどうにかなっちまうよ。蘭に対して妹ムーヴするのもグッとくるんだけど、少し年上のお姉さんとして新一と蘭の後押しする姿、優しいよな~。「灰原哀」をやってくれてるな~って人間性に感動した。
なので結論としては灰原哀→江戸川コナンの愛情も、灰原哀→毛利蘭の愛情もほぼ同じくらいじゃないかな~なんて思いました。


・主題歌が天才すぎるありがとうスピッツ
コナンで泣けるんだ~って気づいたポイントがこれ。
スピッツの「美しい鰭」、イントロから今までのコナン映画と違うものがあって、静かに気持ちを整理するような歌詞が灰原に重なってすごく良い。劇場で見たら咽び泣いてたと思う。
正直コナンと言えばbzの歌が盛り上がってたから最近は他のアーティストで寂しいな~とか思ってたけど、歌手じゃなくて歌そのものの雰囲気が合ってるかどうかが大事なんだよね。
繊細で静かで美しくてまっすぐ芯の通った歌詞だったし、「強がるポーズはそう、いつまでも続けられない。わかってるけれど、優しくなった世界をまだ描いていきたいから。」って灰原が言いそうすぎて泣けた。


という感じで、勢いに任せていっぱい書いちゃいました。
コナンで泣くなんて思ってなかったけど、一時でも見て好きでいた灰原がこんなに良い成長を遂げてるなんて思わなくて、今までの困難を経て彼女が平穏を手に入れたんだなーと思うと、かなり感動でした。


やっぱりコナンは良い。長い文読んでくださりありがとうございます~