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なぜプリンなのか。

プリンって良いよね。甘くておいしい上にかわいい。カスタードは誰も傷つけない感じがするし、カラメルがいるおかげで存在感が出てるよね。
カスタードだけのプリンがあったら(誰かが作ってるかも知れないけど)、何かふわっとした雰囲気で王者感が薄れそうだな。

そしてヤツは高貴でありながら日常にも潜んでいます。
プリンを取り入れた犬のキャラクターも人気ですよね。ファン投票でも上位を獲得してるらしいし、これはプリンという食べ物の人気も関係してるんじゃないだろうか。
あとは、髪を金色に染めた後に色落ちしてきたときの常套句「そろそろプリンになってきてさぁ~」ですが、これもプリンの茶色と黄色のコンビネーションがなせる業なのでは。カスタードの部分が抹茶とか苺フレーバーになっても上のカラメルはたいてい残ってるし、あの部分はプリンの命なのかも。


そして日本人にとって特別な意味を持つプリンがこれ。
「冷蔵庫のプリン」。

けんかのきっかけになり、小さい子どもが所有権を主張するものであり、パーソナルスペースの守り神にもなり得、愛情を伝えるツールとも言える。

もはやプリンはかわいいおやつという役割以上に、人々の自意識の砦になってしまっている。「心を許す」という言葉は「冷蔵庫のプリンを許す」に変えても良いんじゃない?ってくらい。

だって別にプリンじゃなくても良いもんね。
「冷蔵庫のケーキが原因で兄とけんかした。」という例文があっても良いと思うの。でもさ、何となく私たちって、もうそれがプリンじゃないと納得できない思考になってない??


その理由を考えてみました。


その1、スイーツとしてのプリンの立ち位置が唯一無二だから。
やっぱり、手軽に食べられそうな、でも普段の間食にはしなさそうな、そういう絶妙なステータスにあるのが、ヤツのすごいところだと思う。ケーキは特別感が強いし、クッキーはやはり三時のおやつ感(日常的に接する感)がある。その中間地点、毎日食べるわけではないけど、イベントの主役ってほどではない、それがプリン。だからこそ冷蔵庫にあるとそこそこテンションは上がるし、そこそこに味わって食べたい。あくまでそこそこに。

その2、あの見た目が大事にされやすい?から。
冒頭でも書いたように、プリンを構成するカスタード部分とカラメル部分はかなり重要な点だと思う。カラメルがあることによって高級感が増すというか、「只者じゃない」と思わせる効果がある気がする。よく考えるとあれ富士山と同じカラーバランスだし、冠のようにも見えるし、やっぱり大事に取っておきたくなるな。あれを誰かに取られたら宝物を奪われた気分になるもん。日本人の琴線に触れるビジュアルなのかもしれない。ぞんざいに扱えないもん。

でも、「只者じゃない」存在でいながらも、「俺が奪っちゃおうかな」って気にもさせるところがすごい。誰にでも笑顔な女の子を相手に「自分ならいけるかもしれない」って思っちゃうことあるじゃないですか。プリンにはその気質があるように感じるんだよな~。それで実際奪っちゃったらとんでもない仕打ちに遭うっていう、あの魅力は自分だけのものじゃなかったと気づいた時にはもう遅いんですよね~(何の話)。うわぁプリンやり手だわ。怖くなってきた。

その3、保管方法が他と異なり、特別な存在になる?から。
「冷蔵庫の」とつくように、プリンは普通冷暗所で保存されますね。つまり食べようとするときに「冷蔵庫を開ける」という操作が必要なわけで。
これって同じ値段帯のお菓子の中では珍しいんじゃないだろうか。賞味期限もそこそこ長いから、我々はけっこうな期間にわたってそれと顔を合わせることになるんですね。そんなの、多かれ少なかれ愛着が湧いてしまう。開けるたびに「あ、プリンあるな」と思う、そんなお菓子は他にないだろう。
知らず知らずのうちに、無意識のうちに、「冷蔵庫にあってほしい存在」「勝手にいなくなって欲しくない存在」になってしまってるんだな~。だから自分のじゃなくても無くなると物寂しいし、自分で買ってきて名前なんか書いちゃったりする。置かれる場所が違うっていうのは、食べ物自体のレア感やその扱いに違いが出るってことなのかもしれない。


他にも理由があるかもですが、結局のところ、プリンはとんでもない魅力を持ってるってことが分かった。「冷蔵庫のプリン」は生活の一部にすぎないと思ってたけど、もはや家庭内トラブルを暗示する言葉としても使われますからね。
なぜプリンなのか。それは、プリンそのものが持つ唯一性と、日本の冷蔵庫で積み上げた来たキャリアがあってこそなんだと分かりました。

私も、心を許し、冷蔵庫のプリンも許せる人と同居したい。
これからのプリンの活躍を祈って、明日はコンビニで焼きプリンを買おうと思います。

しょうもない話で1800字も書いちゃいましたが、良いnoteの使い方をしたなと満足しております。皆さんもご自宅のプリンと良い一日を過ごしてください。読んでくださりありがとうございました~。