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横領の現場を目撃した

もう時効だと思うし、この話を誰かにする日が来るとは思わなかった。でも自分の中に置いておくと時々思い出して、またしまい込むから書いておくことにする。今から15年くらい前、あるプロジェクトで研究員をやっていた。拠点の事務所には研究者と学生さん、そして事務方が数名。休暇時間にお茶やコーヒーを飲めるように毎月1000円ずつ集めて共同でコーヒー豆や紅茶、お菓子などを購入していた。それ自体は問題ない。みんなでシェアしている多少の財源。それでも10人ほどのメンバーが毎月1000円ずつ払うから集まる金額は数万円の単位になる。それなりにプールされる。コーヒーは毎日10杯くらいは飲んでいた。今思うと結構しんどい職場。楽しかったけど、今秋か春かがわからなくなるような夜中まで実験する日々だった。ある時都内から相談役の教授が来た。昨今は交通費にタクシー代を出せない。もちろん2000年代のこの時もそう。ここまでバスがあるんだからそれに乗れよという話。なぜか彼はタクシーに乗ってきた。昔はタクシー代出ていたんだろう。タクシー代は5千円から1万円の間。研究所はつくば駅から結構遠いからそんなもんだろう。1タクシーの領収書を見せられた事務方のトップの1人は缶の中からお金を取り出し払った、らしい。彼から直接聞いた。多分黙っておけなかったのだろうけど、これって横領じゃねーか。お金が必要で、目の前に現金があるとそれを使ってしまう傾向にある、という事実を知った一件だった。不正は不正だ。使われたのは私たちのお茶代。その先生にはお世話になっている。だけどお金の話は別の話だ。ほかの秘密はまた気が向いたときにお話することに。なぜか私に秘密をこっそり伝える人は多い。誰かに行ったりしないからその秘密たちはオリのように私の中に溜まる。勘弁してくれよ。

では、ごきげんよう。

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