ピアス / 椋子

混じり気がなく綺麗だ 純粋で腹が立つ
他のものが汚れて見えたから捨てたよ

悲しくないことが悲しい
「醜いのはお前だ」って
耳元で囁かれているんだ  

僕は、そういう奴だよ。

透明なピアス 黒く染まっていく
優しさが痛いくらいに 刺さってしまうから
腫れた耳たぶが熱くなる
ああ 分かってしまうな
僕ら合わなかったんだ

どこを取っても最低さ 自分で自分が嫌になる
触れた指についた血で 今度は赤く染まっていく
悲しくないことなど無い
もっと優しく在れたなら
今も離さないでいられたかな

怖かったんだ あまりにも
自分に似合わないピアス
君はまだ気がついていない
今ならまだ平気だって
思った

不透明なまま 君がいなくても
きっと 何も 変わりはしない

一度空いてしまった穴は
もう塞がらないまま

透明なピアス 君が必要だった
失って 気づく大切さなんてさ
嫌になるくらい知ってただろう
ああ いつまでもきっと

僕には似合わない

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