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『本業2024』感想 005│小林よしのり『新・ゴーマニズム宣言』

小林よしのり『新・ゴーマニズム宣言』
(小学館文庫)


『おぼっちゃまくん』や『ゴーマニズム宣言』は
“なんとなく” “ぼんやりと”知ってはいたものの、
これらの著者である小林よしのり氏についても、
不勉強であまり詳しくは知らなかった。
改めて経歴を読んでいくと「extreme right」の
思想を持った方だと知る。

亜細亜諸国にとっては「ヒール(悪玉)」として
要注意人物とされつつも、自分の作品の中では、
「ベビーフェイス(善玉)」として悪玉と闘う…
という所が面白かった。

ビートたけし原作『教祖誕生』の中に出てくる、
鷹と鳩の話を思い出した。

鷹を飼っている人と鳩を飼っている人がいて、
ほぼ同時に空へ放つ。
すると鷹が鳩を襲ってしまう。
鷹を飼っていた人は「よくやった!」と思うし、
鳩を飼っていた人は悲しくなる…。

つまり、視点をどこに置くかが重要で、
立場も考えも変わると言う事である。

『本業2024』の著者(水道橋博士)は、
小林よしのり氏とアントニオ猪木氏を重ねる。
両者とも世間を挑発し、命の危険も省みず、
異種格闘技戦を仕掛け、常に全力で闘う。
猪木氏はプロレス団体、小林氏は出版社を渡り、
居城を構え、カリスマ性を増していく…。
確かに、両者の共通点は多い。

それでも長い時を経れば、状況は少しずつ変わる。
諸行無常、盛者必衰、栄枯盛衰…。
人の考えも時代や年齢と共に変わってくる……
と思いきや、小林氏は勢いを止める事なく、
今もなお、己の道を突き進んでいる。



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