RPX25, Fomapan200レビュー

志摩半島の旅行で使ったフィルム

先日、志摩半島から紀伊半島南部へ旅行に行って、RPX25とFomapan200を使ってきました。都会やいかにもな観光地よりも、山陰, 高知, 紀伊半島南部あたりの方がドライブも楽しいですし、結構好きなエリアです。
F3にAiS20mm3.5をつけて風景やスナップ写真を撮りました。風景撮影という点では高解像なフィルムも面白いかなという理由でRPX25と、そこそこ高感度で一応は微粒子フィルムを名乗っているFomapan200を使ってみて、なんとなくのレビューをしてみようと思います。

RPX25はピーキーすぎて難しい

以前、DarkroomDoorというブログの方でPanF+, FP4+, HP5+の比較を行ったのですが、低感度になるほどラティチュードが狭く高コントラストになる傾向があり、特にPanF+は少し癖が強く出る印象でした。

PanF+, FP4+,HP5+比較検証

FP4+やHP5+よりもRPX100, RPX400はコントラストが強いので、そこからさらに低感度のRPX25はどのような描写になるのか楽しみでした。作例を見て、いったん自分の中で使えそうか考えてみてください。現像はRodinal(1+50)で行っています。

中央部分拡大

良くも悪くもコントラストが高い印象です。特に滝の写真では岩の硬い感じがコントラストとうまく嚙み合っていますが、逆に木の写真ではハイライト部が簡単に白飛びしてしまっていて扱いにくいネガとなっています。D76やRodinalのような古典的な現像液よりもFX39やRollei Super Grainのような補正効果のある現像液との組み合わせの方が良さそうです。
個人的にDelta100やAcrosⅡのような高解像フィルムよりも、古典的なフィルムの方が好きなので、あえてRPX25(PanF+でもいいかもしれませんが)の扱いやすい現像方法など見つけられればと思います。
今のところは解像感はかなりあるので、この高コントラストを生かせる滝や岩肌、建築物の撮影とかに使うと面白いのかなと思います。ポートレートも少し撮ったのですが、ハイライト部で測光して撮れば結構面白い写りになりそうです。

Fomapan200は安くて良いフィルムじゃないか

Fomapan200は一時期よく使っていましたが、現像の不具合が時々あったのでそれ以来やめていました。今回もぼちぼち問題はあったのですが、シャドーからハイライトまでつながりが良く、白飛びもしにくいので扱いやすいネガを得られる印象です。ただ、トレードオフの関係でハイライトの輝きやシャドーの力強さはなくなってしまうので、カジュアルなスナップ用途に向くのかなぁという感じがします。現像液は同じくRodinal(1+50)です。上から3カットまでは尼崎とかで志摩半島ではないです。レンズもAi50mm1.4を使用しています。


全体的にハイライト、シャドーともにコントロールしやすいネガが得られます。拡大写真の拡大倍率はRPX25と同じですが、いくら微粒子と言えどRPX25の軍配が上がります。というか、結構粒子感あるように見えるけど、本当に微粒子なのか君は。いくらRodinalで現像しているとはいえ…。
最後のカットで無理矢理ハイライトの感じを出していますが、直射日光がガンガンに当たらないとなかなかハイライトの端まで使えないかなという印象です。ラティチュードが広い分には良いような気がしてしまいますが、モノクロの手焼きではある程度のコントラストがあった方が印象的になること、号数フィルターでコントラストを調整するより、ネガの段階である程度のコントラストを作成した方が綺麗に見えることが多いので、必ずしもラティチュードが広ければいいわけでも無いです。
とはいえ、カメラの自動露出で撮ってもコントロールのしやすいネガを得られる所や、いかにもな粒子感、そしてモノクロフィルムのなかでは最も安い価格帯にいることを踏まえると、カジュアルにパシャパシャ撮ったり、初学者の方には良いのではないでしょうか。

総評

わかっていたことですが、RPX25はやや扱いの難しいフィルムという印象でした。ハイライトの抑制を考慮して現像すれば結構面白いかもしれません。ISO25というとかなり使いにくい印象を持たれるかもしれませんが、旅行などでは比較的光量の豊富なことが多いので意外と撮れます。コントラストの強さからカジュアルなスナップなどには向かないので、作品志向のある方には問題にはならなさそうです。
Fomapan200は安くて使いやすい良いフィルムだなぁという感じです。安定感がありすぎて、晴れてても曇ってても光の質の変化がコントラストから表現されにくいのがやや難点な気がしますが、そこは安定感とのトレードオフなので、もう少し攻めて写真を撮りたい人はFP4+とかを使用すると良いでしょう。どのような光源でも安定した描写を得られるので、カジュアルなスナップやとりあえずカメラに入れておくフィルムには良さそうです。
このようにフィルムは銘柄を替えるだけでかなり描写の傾向が変わります。現像液でも少しずつ変わります。そこら辺を楽しむのもフィルムカメラの醍醐味と言えるのではないでしょうか。読者の方々にもぜひ様々なフィルムを試していただきたいです。


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