見出し画像

子どもには問題がない(アドラー心理学入門講座 第1回目より)

04月11日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学入門講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。

昨日は一回目のテーマ、「アドラー心理学の位置づけ」からアドラー心理学特徴について関係することを書きました。今日はアドラーが目指した子どもの教育についての考えに関係することを書きます。

アドラーは子どもの問題行動について、問題は子どもにあるのではなく、親が子育てについて勉強不足であるからだしています。

障がいのある方への支援場面に当てはめて考えます。

障がいのある方の支援場面において、障がいが重たいという言い方は、ご本人の状態ではなく、支援者の思いどおり支援できないときに使われることがあります。いかにもご本人の行動や障がいに難があるような言い方です。

しかし、中には支援者の対応に問題があることがあります。

ある利用者さんの行動記録に目をとおすと、頻繁にイライラし、それが原因で他の利用者さんともトラブルを起こしていると書いてありました。

気になって様子を見に行きました。その利用者さんはある一つのささいなことにこだわり、その確認を何度も何度も支援者に求めていました。それに対して支援者も最初の内は、そうだね、と返していました。しかし次第にイライラして、さっきも言ったでしょう、何度も同じことを聞かないの、と言い出し、しまいには説教を始めました。結果、利用者さんは怒り出し近くにいた他の利用者さんにあたり始めました。

記録では利用者さんがイライラしていると書いてありました。でも実際にイライラしていたのは支援者でした。利用者さんはイライラしていたのではなく不安になっていました。この場面において問題は利用者さんにあるのではなく、支援者の対応にあります。

アドラー心理学を基礎とする子育てにおける親の育成プログラムパセージでは子育てはお稽古ごとだといいます。くり返し学ぶことが必要です。支援にも同じことがいえるのではないでしょうか。アドラー心理学やパセージを支援の現場に活かしたいと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?