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動画配信をするときの注意

障害福祉分野でもオンライン化が進んできました。その中で感じることは、オンライン化の理由が感染症対策だけになっているということです。人が動かない、集まらない、それだけでなくオンライン化の魅力をもっと打ち出していきたいと思っています。また、感染症がおさまったら、対面会議や無意味な集合が始まらないことを願っています。

集団指導

私は障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。毎年、行政から私たち事業主等に対して「集団指導」というものが行われます。公会堂等に集められ、ほぼ一日かけて、話を聞かされます。ハードな一日です。

集団指導でたたき込まれることは、前年度監査指導の報告や制度等の改正点、報酬請求にかかわる重要な事項などです。万が一、聞きもらして対応していないと、法令違反になったり報酬が減らされます。頭に入れなければいけないことが多すぎます。また、説明をする行政職員は、テーマごとに担当者が入れ替わります。しかし、指導される私たちは参加人数が限られ、一人で全部を頭に入れなければいけません。そこにも無理があります。

JMOOCの経験を活かして提案したけど…

そこで私は、毎回、終了後のアンケートに具体的な改善案を提示してきました。私は、4~5年前にJMOOCのオンライン講座を受講しました。それは画期的なシステムでした。その方法を取り入れれば、この集団指導も大きく改善されると思います。それを具体的にアンケートに書きました。もちろん、それに対する回答はありません。

集団指導に参加している私たちは、集団指導の帰り道、不満をためて帰ります。同業者同士、説明内容がわからず困り果てています。集団指導では、質問を受け付けません。質問は後日メールで行い、回答はQ&A集としてあらためて周知されます。Q&A集が周知される頃には何を聞きたかったのかわからなくなります。結局、自己流の解釈で事業を続けて、のちの監査で注意されます。

また、集団指導指導では、行政職員が「毎年、注意をしても改善されません」とか「多くの事業所が間違えています」と繰り返し言われます。毎年注意をしても改善されないということは、その指導方法が間違っているということではないでしょうか。多くの事業所所が間違えるということはその仕組みに無理があるのではないでしょうか。そこでJMOOC風の方法を提案をしました。

私の提案

私がアンケートで提案をしたことは、テーマごとに担当者が説明をしてそれをYouTubeで配信することと、そのコメント欄で質疑応答をするということです。事業者にはもともとIDが与えられています。そのIDを持つ者のみが参加をすれば混乱を防ぐことができます。

視聴する事業者は、都合の良い時間に何度でも必要なところを見ることができます。また、行政担当者はその視聴回数で、どのテーマがわかりづらいのかを見極めることができます。メリットがたくさんあるように思います。ただし、これを提案したのが4~5年前なので、そのころはまだ動画配信という発想が一般的ではないころです。少し、先走り過ぎたのかもしれません。

動画は配信したあとの一体感がだいじ

しかし、昨年からコロナ禍です。昨年度は、コロナ対策でバタバタしていました。何をどうしたら良いかわからないことばかりでした。この集団指導は、ネット上に資料が公開され、後日、それを読んだことを所轄庁に申請することで行政指導をうけたという証になりました。

それから一年が経ちました。まだコロナが落ち着かずにいます。それによりさらにオンライン化が進みました。しかし、この集団指導は変わらず、今年も自分たちで資料を読んで「読みました」という申請方式です。

私が「集団指導こそ、オンラインがいいよね」とつぶやくと、いつも一緒に仕事をしている支援者が言いました。「ただ資料を読み上げるだけだったら、自分たちで読んでも一緒だよね」

だいじなことは「これはどういうこと?」と、感じたことを他の参加者と共有し、主催者がそれに対してていねいに答えてくれる姿勢だということです。動画を配信したあとに、それを見てくれた人と一体感を持てるような配慮が必要です。

私も支援者向けの研修動画を作ってそれで満足しています。気をつけなければいけません。

連続投稿1000日まで、あと74日。

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