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面接は中立的であること〜ちはる塾おとな学部おとなの研究コースをふりかえる③

「ちはる塾研究部」に所属して研究を続けています。目標は学会発表や論文投稿です。昨日は早稲田大学で第5回おとなの研究会が開催されました。今回は参加できませんでした。しかし、ひとつの区切りとしてこの時期にあわせて自分の研究のふりかえりをしています。今日はその3回目です。

2017年秋、ちはる塾おとな学部に参加して研究の勉強を始めました。アドラー心理学を学び、障害者支援の現場で実践を始めた時期でしたので、その有効性を実証したいという思いで研究を始めました。約1年間、面接、アンケート調査という形でデータを集め検証しました。その後、反省点として気づいたことはアドラー心理学にこだわりすぎたため、研究としての純粋さを欠いているということでした。そこで、アドラー心理学からいったん離れてあらたな気持ちで研究に望みました。

そこで、利用者の皆さんがどのような支援を望んでいるのかインタビュを実施しました。対象者は、言語によるコミュニケーションが比較的可能な利用者3名にお願いをしました。方法は半構造化面接としました。しかし、お一人目から大きくつまづきました

向後はテキスト「インストラクショナルデザイン研究法」において、誰かのぐちを聞くときの共感する態度は人間関係を深める大切なやりとりである。ただし面接は中立的な立場でなければならないとしています。

今回、協力いただいた利用者は、グループホームで生活をしていて、ときどきお会いする方々でした。事前に、日ごろの生活についてお話をうかがわせて欲しいとお願いをしました。その結果、私がお話を聞きに行くことを楽しみにして待っていてくれました。結果、私が聞きたいことを聞くのではなく、利用者の言いたいことを聴くことになってしまいました。

私の日常は「聴く」ことが基本です。でも今回の面接は「聞く」ことでした。この違いが中立性であるということです。

お一人目のインタビュは1時間以上にわたり、かつ、その半分以上が利用者の話を聴くことで終わってしまいました。お二人目はあらかじめ、おしゃべりタイムを設けて世間話の後にインタビュを始めました。しかし利用者はそれで満足をしてインタビュの話がはずみませんでした。三人目は、初日がおしゃべり、翌日がインタビュというプランで実施しました。ところが初日は、感情が昂ってしまったため中断し、都合、3日間に渡りインタビュを実施することになりました。おかげで貴重なお話をうかがうことができました。

明日は、インタビュでどのようなことを得たのかお伝えします。

(つづく)

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