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ただ黙って話を聴く

いまだに09月15は敬老の日だと思ってしまいます。

私が専門学校に通っているときのことです。ある老人ホームでボランティアをさせていただいていました。

役割はご家族のいないお年寄りのところに定期的に遊びに行ってお話しをするというものでした。

当時の老人ホームは、まだ病院のような作りで、一部屋にベットが6つあり、ただカーテンで仕切られただけの部屋でした。

私は二人のおじいちゃんを紹介されました。一人は無口で、でもほがらかでいつもニコニコしていました。もう一人はおしゃべりで、いつも艶話や武勇伝を語りながら寮母さん(昔はそう呼ばれていました)の手を握っていました。この対照的な二人がいつも一緒にいました。

私が、初めてお二人に会ったときのことです。何をしたらよいかわからない私は、どうしたらよいのか聞きました。そのとき、おしゃべりなおじいちゃんが言いました。

ただ年寄りの話を聞いていればいい。年寄りはわがままだから、自分の言いたいことしか言わない。もう時間がないから好きなことだけをしゃべるんだ。ここの人間は、話も聞いてくれない。

ホームの職員さんは忙しそうでした。今よりも少ない人数で大勢のお年寄りのケアをしていました。

あれから年月が経ち、私も支援をする側にいます。忙しそうにしている自分に気づくとこのことを思い出します。

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