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外で飲む楽しみ(自粛中)

本格的な夏が近づいてきました。利用者の皆さんに夏休みの予告をすると、「髙橋くん、ビールは?」と聞かれます。以前は、夏休み明けに居酒屋に行くことがありました。それを楽しみにしている利用者がいます。しかし、この状況では、今年も行くことができません。

私は障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。法人が経営する事業所の中にグループホームといい、障がいのある人が支援者と共同生活をしているところがあります。そこでは、夏休み明けに居酒屋に行くことがありました。

帰りたい利用者と帰ってほしくない経営者

私が経営する法人のグループホームは、おもに知的な障がいがある人が利用しています。全部で4つあり、一棟に6人が生活をしています。利用されている人の年齢は幅広く、30代から60代までいらっしゃいます。年齢が若い人たちは、長い休みになると実家に帰省します。しかし、利用者の中には、身内が高齢だったり他界していて、実家に帰ることができない人がいます。帰りたくても帰れない、年々、そういう人が増えてきます。

利用者は、帰省を楽しみにしています。しかし、経営者としては帰らず、グループホームにいてくれた方が助かります。グループホーム利用にかかる報酬は、利用した分しか請求することができません。つまり、6人の利用者がいてもその内、4人が帰省してしまうと、2人分しか報酬が入らないということです。それでも人件費は普通に発生するので赤字になります。そのため、一日でも多く、もしくは一日でも早く、グループホームに戻って来てもらう工夫をします。

早く帰って来てもらうための工夫

たとえば、日中活動が水、木、金と夏休みだったとします。そうすると利用者の中には火曜日の夕方から実家に帰り、月曜日の朝、実家から日中活動に来る人がいます。そうすると、ほぼ一週間分の報酬がありません。そこで、日曜日にイベントを組んで早くグループホームに戻って来てもらいます。その一例が居酒屋です。

私が、宿泊をしていたころは、昼間にスイカ割りや流しそうめんをして夜に花火とか、夕方にバーベキューなどを企画していました。しかし、猛暑、酷暑です。企画が負担になってきました。そこである年に、夜、居酒屋に飲みに行くという企画を立てました。それが大当たりをしました。企画する側としては、とても楽です。それ以来、夏の恒例行事になりました。しかし、それが今はできません。

外で飲む楽しさ

私は、お酒の席があまり好きではないので、わざわざお店に行って飲むという気持ちを理解できません。「飲むなら、好きな物を買って来て、グループホームで飲めばいいじゃん」と言ってしまいます。しかし、それは違うようです。

また、グループホームで旅行に行ったときのことです。一部の利用者と支援者で、夜、スナックに行ったことがありました。夕食の宴会のあとに出かけて行きました。私の中にはない、楽しみ方です。しかし、利用者はその時間が一番楽しかったと言っていました。

お膳立てされた企画より、日常的な楽しみの方が思い出深いようです。来年は、行かれるといいなぁ。

連続投稿1000日まで、あと76日。

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