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福祉経営の課題は分業化

障がい福祉にかぎらず、福祉は慢性的な人手不足に悩んでいます。どこの事業所も求人広告に多額の資金を投入しています。また、自主努力として、事業所同士が協力して福祉のしごとフェア等を開催しています。昨日は今年度の福祉のしごとフェアの開催について意見交換をしてきました。

フェアを企画していくうえで課題となるのは次の2点だと私は考えます。
 1.集客数をあげること
 2.雇用側が求める人財への意識を変えること

まず、フェアに人が来てくれなければ、フェアに協力をしてくれる事業所も減ってしまいます。その点でフェアへの来場者数を増やすことは絶対に必要です。この点は、管理職ばかりの企画から、現場に近い職員でプロジェクトを組んで検討していくことにしました。

もう一点は雇用側の意識変革です。

福祉サービスを提供する事業所は分業化が進んでいないところに欠点があります。特に小規模の事業所はなおさらです。それは事業所の成り立ちが影響しています。小さな事業所のきっかけは、一部の者が社会運動的な意識で始めていることがあります。その場合の特徴は、兼務、兼務、兼務…です。

人財育成において、分業化ができていないことによる影響は次の点だと考えます。
 ・いっぺんに幾つもの業務を覚えなければいけない
 ・雇用側は即戦力を求める、しかし教育に時間がかかる
結果、見切り発車で現場に出し、できていないと注意されます。ゆえに、長続きせず、常に求人をかけている状態です。

障がい福祉サービスは、近年、急激に業務が増えました。利用者のニーズが多様化し、従来は「おまけ」で実施していたことが本格業務になりました。

たとえば、以前は、緊急時の送迎だけでした。ご飯を作るボランティアが休みの時だけ支援者がご飯を作りました。雑誌でお菓子やクラフトの面白い記事を見つけるとそれをプログラムにして利用者と一緒に楽しみました。その日の最後に記録を書いて電卓で経費を計算して、一日が終わりました。

でも今はすべてをこなすスキルが求められます。車は大きな送迎車、給食は栄養価を計算した物、プログラムで作ったお菓子やクラフトは売上をあげる、すべてがノルマになってしまいました。

私たち経営する者は多くを一度に求めすぎていました。今の私はいっぺんに幾つものことができます。でもそれは一度に全部習得したわけではなく、文脈の中で習得してきたことです。そこを忘れていました。

応募者の中には、運転は完璧だけど人あたりがちょっと…、人あたりが良く利用者の対応は上手だけれどエクセルが…、趣味がお菓子作りなんだけど運転が…、いろいろな才能を持った人たちが輝ける場所をセッティングしていく、上手に分業していくこれからの福祉経営に必要なスキルだと感じた昨日の会議でした。

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