見出し画像

「くつろぐ」ということ

グループホームに入居されている方と面談をしました。面談は支援計画の更新に必要なものです。しかし、今回はそこに合わせて、私の研究テーマに関係した質問もさせていただきました。

その面談でその利用者さんの希望が明らかになりました。それは今まで私たちがつかんでいた希望とは大きく違っていました。

その希望は「のんびり休みたい」というものでした。

その方は、日中は私の法人とは別の事業所で一般就労に近いサービスを利用しています。いろいろな企業の下請け作業をしています。一か月その事業所に通うと15,000円ぐらいの工賃がもらえます。工賃の額は担当する仕事と出勤日数によって決められています。年齢は来年60歳をむかえられます。

「のんびり休みたい」という答えが出るまで、話は行ったり来たりしました。最初は、「たまには仕事休んでもいいかなぁ」そんな話から始まりました。「なんとなく行きたくない日もある、でも仕事は行かなきゃいけないって言われるからさぁ」そんなお話でした。

最初は、ご年齢のこともあるので体が疲れるのかと思っていました。でも本当の理由は違いました。休日はグループホームに他の入居者もいるためうるさい、やたらと声をかけられる、部屋でゴロゴロ寝ていることもできないから、というのです。

グループホームはそれぞれ個室があります。鍵を閉めてしまえばそこは完全なプライベート空間です。でもそうではありませんでした。鍵を閉めると、他の方が呼びに来て鍵をガチャガチャやられるというのです。

「髙橋さん、たまには部屋で静かにすごしたいよ。」

私たちの支援は作られたもので、自然なくつろぎというものには至っていません。大きな課題を教えてもらいました。

これからいろいろな事業所の利用者さんにお話をうかがいます。今回はそこでの質問を厳選するための予備的な面談でした。しばらく、この予備面談を繰り返して練習をしていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?