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支援者の話は絶対に聞かなければいけないのか

「ちぇっ、こいつ、聞いちゃいねぇ」

話かけても応答がない利用者さんに対して、ボランティアや福祉体験で来た学生たちが、口にしていた言葉です。当時、はやっていた言葉だと思います。この言葉を聞くのがすごく嫌でした。

「きちんと話、聞きなさい!」

以前、支援者が利用者さんに向けて頻繁に言っていた言葉です。さすがに最近は言わなくなりました。でも言わないだけで、いろいろ説得をしてその場に座らせて話を聞かせようとしています。

私も利用者さんと一緒にメンバー会議に参加します。メンバー会議は、利用者さん主体の会議です。でもときどき支援者が一方的に話をしていることがあります。利用者さんは飽きてきて立ち上がったり、うろうろしたりします。すると支援者は、「もう少しだからね」とか「もうちょっとだからがまんして」と耳打ちして利用者さんを座らせようとします。

そこで私が試しに立ち上がって歩いてみました。でも誰も、「理事長、座ってください」と注意しません。不思議です。

利用者さんは、支援者の話を聞かなければいけないものだと支援者は思っているようです。

支援者の話を聞くかどうかは利用者さんが選んで良いはずです。また、その支援者の話が面白いと思えば利用者さんは聞くはずです。

支援者は自分の都合で、利用者さんの話をあとまわしにすることができます。でも利用者さんは支援者が話し始めたら聞かなければいけません。福祉の現場はまだまだ不公平です。まずはこういう小さいところから見直していかなければいけません。

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