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基本的な誤りから抜け出す(アドラー心理学実践講座 第6回目より) ①

10月03日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学実践講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。

11月07日、第6回目のテーマは「感情は価値観のセンサー(2)」でした。今回は、宿題「感情サンプリング」を使ってワークをおこないました。ワークでは各自がこの一週間で感じたネガティブ感情とポジティブ感情を共有しました。その中に印象に残った発表がありました。

それは対人援助に就かれている方からの発表でした。内容は、相談者が相談中に退席してしまったときの対応者の感情についての報告でした。事例を発表してくださった方は、自分の不手際を悩んでいました。同様の事例は私の事業所でもあります。支援者との会話の最中にその場を離れてしまう利用者がいます。

私が現場にいたときのことです。アドラー心理学に出会う前の私は、私の話を聞かない利用者に対して大変横柄な態度をとっていました。私の話は大切な話だから、利用者は私の話を聞くべきであると思っていました。それが私の信念でした。

利用者に話をしなければいけない場面があります。しかし、利用者の中には長いこと座って話を聞いていることが苦手な人がいます。飛び跳ねたり、歩き始めたりします。そんなとき、私は、「まだ話し中です、座りなさい」そんな注意をしていました。

アドラー的に考えると、私が話をしているとき、利用者は静かに私の話に聞いているというのが私の仮想的目標です。それに対して、話を聞くのが辛く立ち歩いたりしてしまうというのがその場のゴールになります。この差異に対してネガティブ感情を発動したということです。

講義では、「基本的な誤り(Basic mistakes)」というのを学びました。基本的な誤りの中には、5つの偏った信念があります。私の場合はその中の「誤った価値」にあたると思います。間違った方向に過大解釈をしていました。

今は、以前ほど感情に使われることはなくなりました。マイナス感情がわきあがるとその感情の目的を探ることができるようになりました。障害福祉サービスにおいても虐待や人権が大きな問題になっています。アドラー心理学のおかげで軌道修正ができました。

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