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サードプレイスの重要性(アドラー心理学入門講座 第5回目より)

04月11日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学入門講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。

05月16日、第5回目のテーマは「自分の居場所を見つける~所属」でした。人はまず所属を求めます。所属とは「居場所」のことです。自分はここにいていいんだ自分はここでやっていけるという感覚です。今日はサードプレイスについて書きます。

昨日は私の所属について、50年前と4年前と今を比較して書きました。50年間で変わらない私の所属場所は「自分の机」でした。また、この4年間で大きく変わった所属場所は中野エクステンションセンターの向後先生の講座で知り合った仲間やそこから始まった学びの場所が増えたことでした。反対に4年前に比べて、ほとんどなくなった所属場所があります。それがサードプレイス、第三の場所です。

4年前の私にはサードプレイスはなくてはならない場所でした。家族から見ればそれは「寄り道」です。でも私にとっては「職場の私」から「家族の私」に着替えるための場所でした。何で、必要がなくなったのだろうと考えると、大きなきっかけは「ちはる塾おとな学部おとなの研究コース」だったかもしれません。仕事の帰り道、車の中で毎週送られてくるビデオ講義を流しながらいろいろなことを考えていました。考えつくとそれをカタチにしたくて一目散に家に向かいました。そういう意味では車の中がサードプレイスになったのかもしれません。

さて、障がいのある方のサードプレイスについて考えます。特に今日は以下のような状況の方たちです。

・昼間は福祉サービスの事業所に行っている
・住居はグループホームで生活をしている
・一人で一般の交通機関を利用している

彼らにとってサードプレイスのような場所は必要です。サードプレイスのような場所を使うことはことは可能です。しかし、そのような場所を持っている方はごく稀です。そのような場所を上手に使うことができなかったり、ちょうど良い場所がありません。

彼らがサードプレイスを使えない原因は、本人たちは、小さいころから「まっすぐに帰りなさい」という教えを受けているということ。また、支援者は「まっすぐに帰って来なさい、何かあったらどうするの」という意識が強いことです。よって、サードプレイスを開拓するという意識がなく、社会的にも広がっていきません。

帰宅が早い人は16時にはグループホームに帰って来ます。それからの夜は果てしなく長いです。夕飯は19時ぐらいです。それまで空腹をがまんしています。また夕飯から寝るまでも長い時間があります。スキルアップの可能性もそれに費やす時間もあります。しかし、社会資源や習慣がないため何もせずに終わっています。上手に支援ができず申し訳ないと思っています。

また、人間関係改善のためにもサードプレイスはあった方が良いと考えます。人によっては日中活動で一緒だった人とグループホームが一緒の場合があります。つまり同じ人と始終一緒です。人間関係が煮詰まりぶつかります。それぞれが別の空間ですごすことができたらより良い人間関係が築けるのではないでしょうか。

福祉サービスは補うことを中心に発展してきました。しかしこれからはより豊かな生き方を実現できるような工夫をしていかなければなりません。次の事業展開はサードプレイスです。そのためには、今、福祉サービスを利用して生活している人たちがこれからどんな生活をしていきたいかそれを調査して体系化していくことが必要です。その一端を担いたいと思っています。

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