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ささいな「生きづらさ」について

今日は「生きづらさ」について書きます。「生きづらさ」は、ささいな事であればあるほど、周囲には理解されません。それゆえ、本人にとってはなおさら辛いことです。

グループホームでは、障がいのある人が支援者と一緒に共同生活をしています。そこで支援者は、衣食住に関する支援をします。寒暖の差が激しい今日このごろ、洋服選びは大変です。

私が経営するグループホームでは、一つのホームに6人の人が生活をしています。それに対して支援者は1名です。朝は、大変です。短時間の間に着替え、食事、洗面、お手洗い、様々な支援が重なります。たとえば、お手洗いの支援をしている最中に、一人で出かけてしまう人がいます。

一人で出かけることは問題ではありません。しかしこの時期、心配なのは洋服の調整です。たとえば前の日がとても暖かな日だと、薄手の上着で出かけるように声をかけます。ところが、その翌日は冷たい雨が降る寒い日になったとします。またその日に限って見送りができないと、前日と同じ薄着で出かけてしまいます。その結果、本人は後から辛い思いをします。

また入居者の中には、衣服にこだわりがあり、同じ服を毎日、着たがる人がいます。理由をたずねると、いつも同じ服を着ると安心できるからといいます。その人にとっての服は、鎧のような役割をします。どの服が鎧になるかわかっていれば、あらかじめその服を複数枚用意することができます。しかし、昨日までは何でもなかった服が突然、鎧に変身します。そんなときは、すぐに洗濯をして乾燥機で乾かします。

障がいのある人の特有な行動を「こだわり」と称することがあります。しかし、それはその人の中だけにあるマイルールです。スポーツ選手の験担ぎ(げんかつぎ)に近いのかもしれません。

最近、「生きづらさ」という言葉をよく耳にします。「生きづらさ」は、人それぞれです。人それぞれ、いろいろな生きづらさを持っています。それを辛いと、表現できる人もいればできない人もいます。福祉職にあっても、その辛さを理解できないことはたくさんあります。気をつけなければいけないと、思うことがたくさんあります。

グループホームは、こんな所です。

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