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折り紙の折り方を伝える(教える技術6回目より③)

01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。(02月13日で終了)今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方を考えて書いていきます。

6回目(最終回)は、コースのデモンストレーションです。まず先生が、前回の講義についての質問に答えたあと、受講者が自分で作ったコースをグループ内で発表しました。今日は、私が作ったコースについて報告いたします。

私は、地域活動で地域住民同士が交流できるツールとして折り紙を提案しました。私の事業所も、地域の団体や学校等から「一緒に交流しませんか?」とお誘いをいただくことがあります。しかし「交流」と言われても具体的に何をしてよいかわからず、困ることがあります。また、反対に一般の方に利用者と一緒にすごしていただくボランティアをお願いしても、何をしてよいのかわからず、戸惑っていることがあります。やることが不明確なためにせっかくの交流の機会を逃しています。そこで提案をしたのが折り紙を使ってのコミュニケーションです。

数年前、地域のイベントに利用者と一緒に参加をしたときのことです。利用者とその日にボランティアで参加してくれた学生と一緒に会場作りをしていました。作業は、私が中心になり折り紙のわっかでリングを作ることでした。私は、利用者が一緒だったので、全体を見ることなく進めているとボランティアの学生は、わっかばかりをたくさん作っていました。学生は、折り紙のわっかで作るリングを知りませんでした。イベントの飾りつけは100円ショップで買う物だと言われてしまいました。

厚生労働省は、地域における多様な支援ニーズに対応するために公的支援だけでなく、地域の横のつながりを強化していく計画を打ち出しています。それを地域共生社会と言います。そのためには、まず地域住民同士が一緒にイベントを楽しむ機会が必要になります。そのときのきっかけ作りとして、折り紙が使えるのではないかと思います。しかし、若い人たちの中には折り紙に馴染みがない人もいます。そこで今回、コースとして「折り紙を折れるとコミュニケーションがアップする」というゴールを設定しました。

ステップ1は、折り紙になじむ目的でわっかのリングを作ります。そのとき、お互いの作業が見えるように4人ぐらいのグループで向き合って作業をします。
ステップ2は、基本の鶴やカタチある物を作ります。何か折れることで楽しみがアップします。
ステップ3は、本やテキストを見ながら複雑な物が折れるようにします。ちょっと複雑な物が折れると、集まってくれた人の関心が高まり、距離が近づくという提案です。

フィードバックでは、常に強化としてフィードバックを行います。さらにステップ1では、会場づくりに協力してくれたことに対してコミュニケーションとしてのフィードバックをします。ステップ2と3では、情報としてのフィードバックで新しい折り方を伝え技術の向上を目指します。

これが私の考えたコースです。

私が子どものころ、折り紙の教本にイソギンチャクの折り方が載っていました。しかし私はそれがどうしても折れなくてふてくされていました。昔から折り紙が好きでした。最近は視力が落ち、折り紙の角が合わなくなり、折り紙から遠ざかっています。折り紙のことを書いていたら、久しぶりに折り紙を折ってみたくなりました。

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