見出し画像

サンタクロースにあこがれて

クリスマスです。サンタクロースさん、プレゼントをありがとうございました。また、夜通しお疲れさまでした。

私は、学生のころ、サンタクロースにあこがれていました。そこで、せめていでたちだけでもサンタクロースになろうと思い、東急ハンズでサンタクロースの服を買いました。最近は、100円ショップでもサンタクロースの服を売っています。しかし、私が買ったのは、昭和です。まだとても高価な買い物でした。

クリスマス会の主役、サンタクロース

そのころ、私は、福祉系の専門学校に通っていました。また、そこでの学びを活かして、児童施設のクリスマス会でボランティアをしました。私の役割は、サンタクロースが登場するまでの間、レクレーションで会場を盛り上げることでした。

場が最高潮に盛り上がったころ、私は子どもたちにたずねました。
「ねぇ、なにか聞こえない?」
「ほら、鈴の音」
「みんな静かにして…」
子どもたちは一瞬で静まり返りました。そこにサンタクロースが登場します。サンタクロースは園長先生でした。それは、ここだけの秘密です。

そこからは、サンタクロースが主役です。私はこっそり引っ込みます。

サンタクロースへのあこがれから挫折

それを見ていた私は、サンタクロースにあこがれました。そこで、サンタクロースの衣装を買って、個人的に楽しんでいました。しかし、それから数年後、悲しい現実が訪れました。

私は、学生のころ、中華料理のファミレスでアルバイトをしていました。当時は、店長代行でした。お店のプランでは、昼間は、店長、夜は、私がサンタクロースの衣装を着てお客様をお迎えするはずでした。また、子どものお客様にはプレゼントを渡すことになっていました。夢のある仕事です。しかし、現実は厳しいものでした。

クリスマス、サンタクロースの衣装でお客様を迎える日がやってきました。私は、夕方からサンタクロースの衣装を着てお客様の対応をしていました。やがて、6時ころになると主婦のパートさんがあがり、学生のアルバイトが来ます。来ることになっていました。しかし、来ませんでした。結果、私は、サンタクロースの服のまま、注文を取り、ラーメンを運ぶことになりました。子どもたちの夢を壊してしまった私は、サンタクロースの衣装を封印しました。

トナカイから出直す

その後、私は、障がいのある人たちが利用する事業所の支援者になりました。当然、事業所ではクリスマス会があります。ほかの支援者からは、サンタクロースになるようにすすめられました。しかし、私は、子どもたちの夢を壊してしまったので、サンタクロースになることを辞退しました。そこで、サンタクロースに仕えるトナカイから出直すことにしました。

トナカイの仕事は、ハードでした。この日のサンタクロースはメタボでした。

画像1

クリスマスイブ、トナカイさん、お疲れ様でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?