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その人その人に会った話し方を身につける

障がいのある人が利用する事業所を経営しています。障がいには、いろいろな障がいがあります。ある人は、人に言われたことが怒られているように聞こえてしまうといいます。

たとえば、誰かに「何かをしてください」とお願いされたことでも、怒られてダメ出しをされているように聞こえるというのです。ご本人も、自分にはそういう傾向があるということは認識しています。しかし、その障がいと上手に付き合うことが難しく苦しんでいます。

周囲の支援者も、日常生活のやり取りをどのようにすればよいのか悩んでいます。自分が発した言葉で利用者が苦しみ、その苦しみを他の場所で話ている思うと、話しかけることができなくなってしまいます。

ご本人も辛いし、支援者も辛いです。

アドラー心理学基本とする子育てにおける親の育成プログラム、パセージでは、他者を支援したときに、他者が「自分には能力がる」と思えたか、さらには「人々は仲間だ」と思えたかどうか、この2点を大切にします。人は、そう思えたとき自分の課題を自分で解決する勇気を持つことができます。

この点から考えると、人から言われたことが、怒られたように聞こえてしまうというのは、辛いことで、自分の存在価値を見出せない状態であるということがわかります。

私の場合は、直接支援をするという立場ではなく、何かお話を聴く立場なので、比較的ご本人のペースで、ご本人とだけ向き合ってお話をすることができます。そんなときは、話の途中で「私の話は、怒っているように聞こえますか?」「このままお話をしても大丈夫ですか?」と、ご本人に確認をします。しかし、これが日常生活の中、集団の中では難しい対応です。

ご本人にどんなふうに話しかけられたらいいですか、と聞いてみました。すると、ゆっくりおだやかな話し方がいいです、と教えてくれました。伝えたいことを伝えるだけでなく、その人その人に応じた、受け入れられやすい話し方を身につけなければいけないと感じています。

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