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街で学ぶ、システムやルールを学ぶ

今日のnoteはドリンクバーについてです。私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。私の法人の事業所を利用している人たちはドリンクバーが大好きです。以前、外出行事のときの食事先の希望を聞くと、多くの利用者がドリンクバーのあるお店を選びました。しかし、団体で食事をするときのドリンクバーは、ハードルが高い選択肢です。

打合せでファミレスに行きました。私は、外食をしないので、ひさしぶりのファミレスでした。打合わせの相手を見つけて、席に座るとお店の人がメニューを持って来てくれました。私は、食事をする予定がなかったため「コーヒーひとつ」と言うと、「ドリンクバーになります」と言われてしまいました。今のファミレスは、ドリンクバーが主流なんですね。

「ドリンクバーのあるお店がいい!」と言われるが…

以前、私の法人の事業所では、定期的に外食に行っていました。そのとき、利用者からはドリンクバーのある店がいいという希望が必ずありました。しかし、集団での外出では、お店にドリンクバーがあると支援が行き届かないことがありました。

事業所の外出で外食をするときは、一人の支援者が3~4人の利用者の対応をします。利用者の支援状況は、常に支援が必要な人やある程度のことは自分でできる人など様々です。そこをバランスよく組んでグループを作ります。ただし、その状況では一人ひとりの好みに応じた対応ができません。そこでいろいろなことがおきます。

いろいろなことがありました。

以前、この人なら一人でドリンクバーに行っても大丈夫かなぁ、と思っていた人が、ドリンクバーに行ったきり戻って来ませんでした。様子を見に行くと、ドリンクバーの前で一気飲みをしておかわりをしていました。そうしたい気持ちはわかります。できれば私もそうしたいです。

また、ある利用者は、グラスに1/4ぐらいしかジュースを入れずに席に戻って来ました。その後、席に戻ると一気に飲み干し、ドリンクバーに向かいました。すると、またグラスに1/4ぐらいジュースを入れて戻って来ました。いつまでも1/4の量でした。謙虚な人です。

また、ある利用者は、ドリンクバーに置いてあるミルクと砂糖をたくさん持って来て、「ハイ、どうぞ」と言いながら、全員に配っていました。接客の仕事に就けたら活躍できると思います。

私が、外食に付き添っていたころは、小さな驚きがたくさんありました。しかし、その驚きも想定の範疇です。笑いながら、「こうした方がいいよ」と伝えていました。

街で学ぶこと

あるとき、一人の支援者が、ミルクと砂糖を配っている利用者に対して「何しているんですか、勝手に持ってきたらダメって言っているでしょう。これはどろぼうですよ。」と声を荒げていました。悲しいかかわり方です。

勝手に持って来ることはいけないことです。それを笑って済ませていいというわけではありません。ただし、その利用者は、サービス精神が旺盛な人です。そのような行動に出ることはわかりきったことです。そこまで先を読んだかかわりが支援になります。

街に出て、いろいろなシステムやルールを経験する、それは利用者にとってだいじなことです。また、同様に支援者にとっては、街のシステムやルールを利用者にわかってもらううように伝えるという経験ができます。

ドリンクバーは、ハードルが高い選択肢です。しかし、その分、支援者はたくさんのことを学ぶことができます。しかし、今はその外出も自粛中です。

連続投稿1000日まで、あと83日。

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