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オンラインによる「地域福祉」を

今日は、オンラインを利用した「地域福祉」について書きます。

福祉サービスを提供していると「地域福祉」という言葉をよく耳にします。また、制度上も地域福祉の実践がすすめられています。ゆえにサービスを提供する事業所は、地域福祉を意識した事業展開を行います。

地域福祉は、住み慣れた街で従来の人間関係を保ちながら生活をするために福祉サービスを受けることです。

福祉サービスを利用する人の思い

サービスを利用する人の多くは、住み慣れた環境でサービスを受けることを希望します。しかし、なかにはそうでない人もいます。できるだけ遠く離れた地域でサービスを受けたい、そういう場所から来て欲しい、そういう要望を受けることがあります。

私が福祉サービスを始めたころは、インターネットがありません。情報のやり取りは、印刷物の郵送か、FAXでした。また、行政においては「区域」を超えた情報を持ってなく、居住区でサービスを完結させていました。

サービスは必然的に、限られた地域での利用でした。

地域福祉の実情

以前、私の事業所は区と区の境にあり、毎日、利用者と一緒に隣の区にあるスーパーに買物に行っていました。そのとき、「いつもお見かけしますけど、ご近所ですか?」と声をかけられました。

お話を聞くと、その人には、障がいのあるお子さんがいて、まもなく養護学校を卒業し、福祉事業所に行くことが決まっている、しかしそこが遠くて困っている、とのことでした。また、その人の家は、区はちがっても、私の事業所から歩いて5分のところにありました。今でも、私の法人のサービスを使ってくれています。

行政や学校は、他区の情報を持っていませでした。今と比べて、情報源が少ない時代だから仕方がないのかもしれません。しかし、これだけインターネットが普及した時代でも本質は変わっていません

地元から離れた場所がいい

利用者の中には、はっきりと「近所は嫌だ」、「知っている人がいない所の事業所がいい」、「今までの自分を知らない人に担当になって欲しい」と、要望を持っている人がいます。長い生活の中で、いろいろな人と出会い、いろいろな経験をしてきたのだと思います。

福祉サービスの中に「相談支援事業」というのがあります。原則、今の制度では、この事業を利用しないとその他の福祉サービスを使うことができません。相談支援では、利用者本人や家族の状況、生活等を把握し、その利用者にあったプランを組み立てます。その過程で、家庭訪問があります。私はそこに疑問を感じます。

利用者の中には、家庭訪問に抵抗を感じている人がいます。私もその気持ちがよくわかります。せめてオンラインとかにできないものでしょうか。(私はオンラインでも家の中の中継は嫌です)

地域はオンラインでもつながる

そろそろ「地域」の概念を変える必要があります。どこかの場所で集まらなくてもつながれる時代です。地区センター等で開催される「ふれあいサロン」等もオンラインを使い並行で開催すると、もっと幅広い層が参加できます。そのためには、もう少し、機能が少ない電子機器が必要です。電子機器は、ある年代を過ぎると、いろいろな機能がないほうが良くなります。

福祉サービスにおいては、今後、オンラインによるサービスを上手に取り入れることが要になっていくと思っています。


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