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ヴィゴツキーの最近接領域を支援に取り入れる(教える技術より)

01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方を考えて書いていきます。

講座は02月13日で終了してしまいました。今回も障害福祉分野に転移できそうなことがたくさんありました。向後先生は、笑いながら、同じ講座を何回も受けるなんてと、おっしゃいます。内容は同じです。しかし先生が少しづつ切り口を変えてくれること、また私もそのときに抱えている課題によってひっかかるトピックが違い、いつも新鮮です。前回は素通りしてしまった話題に立ち止まることがあります。

今回、気になった話題に、ロシアの心理学者、レフ・ヴィゴツキーの発達の最近接領域というのがあります。この最近接領域は、人に教えるとき、どの水準を教えるかということを説明しています。もうすでに習得したこと、自分一人でできることをいつまでもおしえていてはあきられてしまいます。また反対に、指導者がえがく高水準な領域を教えても学習者はできないことばかりが増えて苦手意識を持つだけです。教える領域は、「自力では難しいけれど、誰かの協力があればできるかもしれない」領域です。この領域が、発達の最近接領域です。この考え方が、支援場面に転移できると思いました。

支援は、利用者のニーズに基づいて提供されます。しかし、支援者は、こうあって欲しい、こうあるべきという意識が強く、ご本人のそのときの水準よりはるかに高い水準を目指すことがあります。結果、利用者は挫折を繰り返し、学習性無力感におちいります。

支援においては、アセスメントで利用者自身のニーズとともにその人が持つ能力、ストレングスを見つけます。これが自分で一人でできる領域です。まずこの領域を明らかにして、支援者と一緒に課題解決ができる領域、最近接領域を支援します。これをエンパワーメントアプローチといいます。

今、障害者支援分野で重要視されている職種の一つに相談支援専門員があります。相談支援専門員は利用者のストレングスを最大限に活かしたエンパワメントアプローチで支援をします。しかし、この職種の研修で、発達の最近接領域についての説明は聞いたことがありません。しかし、絶対に応用できると確信します。

今日、本が届きました。深めてみたいと思います。
ヴィゴツキー入門 (寺子屋新書)

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