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偉そうにしていたあの頃

最近は、ちょっとしたハプニングが起きても冷静に声をかけることができるようになりました。

私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。事業所の中に、日中の活動を提供する場所があります。そこでは活動の一つに掃除の時間があります。掃除の時間は、トラブルが起きやすい時間です。広い視野で全体を見守ることが大切です。

意識して見る

私は、支援は意識して見ることから始まると思っています。支援者が、全体を見ていなかったために起きた掃除中の事故については、以前もnoteに書きました。

掃除中のハプニングには、利用者同士のトラブルもあります。ちょっとした悪ふざけからケンカになったり、ぶつかったり、その拍子に転んだりします。大きなことにならないよう、支援者間で暗黙の了解で、一緒に掃除をする人、全体を見る人の役割を分けます。

意識して見る、今昔

私がこの仕事に就いたころ、あのころは今よりもしっかり見ていたかもしれません。しかし、そのころの「見る」は、今の「見る」とは違います。そのころの「見る」は、監視と命令でした

たとえば掃除の時間のです。当時は、利用者は掃除をする人で、支援者(当時は指導員)は掃除をさせる人に分かれていました。

掃除中、当時、指導員と呼ばれていた支援者は、全体が見渡せるところに立って、命令をしていました。

「ほら、まだそこにゴミあるでしょう、良く見て。」
「なに、勝手におしまいにしてるの、まだ終わっていません。」

上から命令をするために見ていました。

あのころはタテの関係でした。今考えると怖い関係です。しかし、あのころは、それがあたりまえでした。利用者に言うことをきかせられる人が良い指導員でした。私もそう思っていました。あのころは、支援ではなく支配でした。

偉そうにしていました

先日、私の真後ろでトラブルが起きました。いつも、私の後ろにあるごみ箱のゴミを捨ててくれる利用者がいます。その利用者がゴミ箱を取ろうとかがんだとき、私の机にある携帯が震えました。それに気づいた他の利用者が、スマホを取って私に渡そうとしました。そこで二人の利用者がぶつかり、一人が転びました。

昔の私なら「何やってんの危ないでしょう」と言っていたことでしょう。「大丈夫?」と、心配することもなく「何やってんの…」が先でした。利用者たちは、私の後ろのごみ箱のゴミを捨てたり、私に携帯を取ってくれようとしているだけです。私は、そこに注目をしませんでした。

あのころの福祉施設の職員は、いつも偉そうにしていました。私は、偉そうにしていた期間が長くあります。仕事では、ヨコの関係のですごす期間が、タテの関係ですごした期間を超えることはできません。その分、何かあるたび、ふりかえり、記録に残し、それを伝えるように心がけています。

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