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雑談から始まる支援

以前、noteで、雑談ができるということはその人と仲良しでいたいということであるということを書きました。障がいのある人への支援においては、障がいのある人本人の意思を尊重した支援が基本です。しかし、ご家族の意向も大切にしなければいけません。そのご家族と関係を作っていくための手段としても雑談は欠かせません。

私が若い頃の失敗です。私が良い、絶対に必要だと思うサービスを無理にすすめて、ご家族との関係を悪化させてしまったことがあります。たとえば、ガイドヘルパーの利用です。サービスを使った方がご本人の活動範囲が広がり、経験が増えると思いました。しかしご家族にはご家族の考えがありました。また私はそこを深堀しようとしてしまいました。支援者はまったくの他人です。わきまえなければいけません。

最近は無理をしなくなりました。雑談を中心にゆっくり話を進めるようにしています。

グループホームは、入居者が利用した分しか収入になりません。そのため、宿泊数を増やしたいというねらいがありました。そのことについて、ご本人は意思表明がありませんでした。ご家族は、淋しいから週末だけは家に帰したいと言いました。ご家族との交渉が始まりました。そのときに大事にしたのが雑談です。

直接、ご家族にお会いする面談、さらには事務的な連絡をする電話で雑談を重視しました。今のご本人の様子を伝えるだけでなく、ご本人の記録にある昔のエピソード、楽しかったことや苦労されたことを話題に盛り込みました。また、直接ご本人のことに関係ないご家族のことも、話題にあがったらメモをして次回の会話に反映させました。重大な用事がなくても電話をして情報交換や雑談をすることもしました。

今でも、このサービスを使った方が良い、使うべきだ、と思うことは多々あります。しかしあせらず、まずご家族とは雑談を中心にした関係を作りながら、ご本人への支援を充実させるようにします。




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