見出し画像

雑談は仲が良いという証(中野校での学び番外編②)

早稲田大学エクステンションセンター中野校で開講されている講座に定期的に参加しています。講座はアドラー関係と教える技術です。ともに講師は、早稲田大学人間科学学術院教授の向後千春先生です。これらの講座の面白さは、メインテーマの他、本筋から離れた先生の話です。そんな中のひとつを紹介します。

昨日は、あいさつは、私とあなた仲間ですという意思表示だということについて書きました。この話には続きがあります。続けて向後先生は、雑談は仲の良い人としかできないと言います。

職場では、社員同士が敵対関係になるわけにいかないので、とりあえずあいさつはします。しかし、積極的に雑談をするのは仲良くありたいと思う限られた人です。苦手な人と積極的に雑談はしません。

障がいのある人への福祉サービスで、日中活動があります。ご自宅やグループホームから、一人、もしくはご家族の送迎や事業所の送迎車、ヘルパー等と一緒に事業所に来ます。発語のある利用者のほとんどは、元気よく「おはようー」と言いながら事業所に入ってきます。しかし、利用者の中には事業所の前に送迎車が止まり、扉が開いた瞬間、自分の言いたいことを大きな声で話しながらやってくる人がいます。家であったことや、グループホームであったこと、今日やりたいことなどを一気にしゃべりだします。

こんなことがありました。事業所の支援者は、送迎車が玄関前に止まると下駄箱に迎えに出ます。そのとき、送迎車から降りてきた利用者が、一人の支援者をつかまえて言いたいことを一気にしゃべりだしました。するとその支援者は「まずはあいさつが先でしょ」、「お・は・よ・う・ご・ざ…」利用者はその支援者を上手にすり抜けて他の支援者のところで一気にしゃべりだしました。雑談の目的から考えると、利用者から仲良くなりたいと言っている絶好のチャンスを逃したことになります。

決まった活動がない休憩時間、日頃から利用者の話をしっかり聴く、雑談に応える支援者の周りには利用者があふれています。支援者には雑談をする、雑談を受け止めるスキルが必須であるということがわかります。

私もパソコンを打っているときや、一日に何回も同じことを聞かれるとぞんざいな態度をとってしまうことがあります。雑談に時間を割くことを意識したいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?