自治体にとって育成がとにかく大事!と思う理由
🟧 自治体職場にとって、職員の育成は最も重要な仕事の1つ
自治体職場にとって、職員の育成は最も重要な仕事の1つです。
自治体職員として内側にいたときにも、今こうして外から見ていても、その思いに変化はない、というよりむしろ強く感じています。
育成って大事。
なのですが、人材育成を投資と捉えて力を入れる民間企業が増えている印象がある一方で、公務職場にはなかなか変化の兆しがみえてこないのが現状です。
過去から脈々と続いてきた地域の今を支え、未来へとつなげていくためには、職員の力が欠かせません。
質の高い学びを用意したり、学びを活かす機会を作ったり、職員同士で力を伸ばし合ったり…。
今でも担当職員の方々は奮闘されていると思いますが、自治体としてもっと力を入れてほしいと願っています。
育成、特に実践につながる思考力・判断力を伸ばしていく必要があると考える理由はいろいろあるのですが、今日はそのうちの1つを書いておきます。
🟧 「何のためにやるのか」を言葉にできるかどうかで、出せる成果が大きく変わってしまう仕事だからこそ
事業評価がコストとベネフィットで測れない
これは自治体仕事の特徴ですね。
営利企業の場合であれば、「結局それがどんな利益につながるの?」という問いに答えられるかどうかは、事業の可否判断において外せません。
直接的であれ、間接的であれ、最終的に利益に繋がらなければ、営利企業は存続自体ができなくなってしまいますから、この問いは外せないのです。
でも、自治体の仕事はそうではない。
自治体の場合は、代わりに「じゃあ何のためにやるの?」という問いに答える必要が出てきます。
庁内で予算の査定を受けるとき
住民に事業の説明をするとき
議会で議員からの質問に答えるとき…
本当にさまざまな場面で職員は、「この事業は〇〇のためにやる。これをやる意味(意義)がある」ということ、その理由を言葉にすることが求められます。
この、お金やコストとは違う、意味や意義といったものの価値をしっかり言える職員とそうでない職員とでは、予算の獲得も、住民の理解も、地域団体の協力も、議会の承認も、得られる成果が変わってしまうのです。
言葉にできるかどうかで大きく成果が変わってしまう。
そんな場面をこれまでなんども目にしてきました。
考える力、判断する力が育っていないと、ここを誰か(何か)の意思に委ねるしかなくなってしまいます。
課長が言っていたから、
住民要望が強いから、
今までもそうだったから…。
仕事は思う通りに進まないことの方が多いものですから、つい「だって〇〇だから…」と言ってしまいたくなるのもわかります。
でも、そればかりになってしまうと、いつまでたっても大切な仕事を前に進めることができないのです。
「何のためにやるのか」を言葉にできるかどうかで、出せる成果が大きく変わってしまう仕事だからこそ、ここを育てていく必要があるのです。
🟧 職員同士の関わり合いを大切に
思考力・判断力を伸ばしていくこと。
これを職員個人の責任に押し付けてしまうのは、やはり厳しいことです。
職場で、職員同士が関わり合うことで、知識が交換され、知恵が伝授され、あらたな知見が生まれていきます。
今の時代、1人の職員がちょっと考えただけで最善策が見つかるような、簡単な課題は多くありません。
むしろ、
「これ、どうしたらいいと思う?」
「いやぁ、難しいよね」
「でも、そのまま放置ってわけにもいかないから、なにかしら手を打っておかないといけないと思うんだ」
「そうだね。以前僕がいた職場では…」
といった話し合い、関わり合いが必要なのです。
営利企業であれば、未来を見ながら今に変化を加えていくこと、未来の先取りによって利益を生み出していく視点が重要です。
しかし自治体の仕事は、過去から脈々と続いてきた地域を大切にしながら今を支え、過去を安易に切り捨てることなく未来へとつないでいかなければなりません。
今や未来を見るだけでなく、過去も同じくらい大事。
営利企業の仕事とは、見るべき時間軸の幅が大きく異なるのです。
ちょっとかっこつけた言い方になってしまいますが、自治体の仕事には、
過去を理解し、未来を見据え、両者がつながるように今できる手を打っていくことの繰り返しが求められるのです。
過去と未来をつなげていく仕事だからこそ、より深い思考力・判断力が必要であり、それには職員同士が持っている知識、経験を伝え合って互いを伸ばし合う関わりが必要なのです。
これは短期間でどうにかなるものではありません。
自治体仕事の特性に気づくこと。
そして思考力・判断力を伸ばす育成に取り組んでいくこと。
今すぐにでも、全庁的に取り組んでいく必要があると思います。
育成に力を入れていきましょう。
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