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No.23 常識という言葉が、ガラガラと崩れ去った日々 その2


1日0.2%の成長で起こせ!
静かなる自分革命


<はじめに>
豪雨の影響で大変な思いをされている方々が、一日も早く平和な日常を取り戻されますことを祈念するとともに、復旧や支援に携わる行政関係や多くの方々の活動に感謝申し上げます。


今回は、私が3つ目の職場で従事した
生活保護のケースワーカーという
仕事について、前回の続きになります。

一つ目の職場
市民課での窓口業務

二つ目の職場
体育課でのイベント漬けの日々

そこからは想像もできないような
3つ目の仕事です。

自治体職員、ほんとに多種多様な
仕事をするものですよね。

自分でもびっくりです。

自治体の職員は
いつ対人支援業務に就くか
分からないですものね。

今回の記事が、
対人支援という仕事への向き合い方の
参考になれば幸いです。



<ケースワーカーだからって、人の人生を背負えると思うなよ>


タイトルに書いたこの言葉、

「ケースワーカーだからって、
人の人生を背負えると思うなよ」

これは、私の大好きな先輩が
伝えてくれた言葉です。

ケースワーカーは、権限を持って
その人の生活を支援することができる。

そして、その人のために
病院などと連携したり、交渉したり、
いろいろと手を尽くすことができる。

それでも、亡くなってしまう人もいれば、
体調を崩していまう人もいるし、
精神状態が悪くなってしまう人もいる。

自分がちょっと担当したからって、
自分の力でできることなんて、
大したことはない。

できることには全力投球するけれど、
できないところまで責任を負うことは
できないんだ。

そこを間違えちゃうと、
お前が壊れてしまうよ。

そういう意味がこもった言葉です。



実際にこの仕事をする中で、

「もし私がもう1日早く連絡していたら…」

「もっと強く施設側と交渉をしていれば…」

「もっと頻繁に訪問できていれば…」

なんて思うことが、たくさんありました。


あの人が亡くなってしまったことに
自分の至らなさも影響していたんじゃないか、
なんて思い始めたら、
きりがありません。

ケースワーカーという仕事をする中で、
先輩からの大切な言葉を
思い出すのは、
一度や二度ではなかったです。

これは、生活保護に限らず、
対人支援をしている人にとって
大切な言葉なのではないかなと
私は思っています。



<結局のところ、人ってやっぱり魅力的だな>


生活保護のケースワーカーという仕事。

他人の生き様をつぶさに把握してしまう仕事。

保護世帯にとってケースワーカーとは、
頼る存在でもあると同時に、
自分の日常生活を
把握している相手でもあります。

そんなこともあって、
保護世帯の人たちとの関係ができてくると、
彼らはだんだんとケースワーカーに
本音を話してくれるようになってきます。
(さすがに全員ではないけれど)


仕事とか権限よりも深いところで
お互いが人として接し、
本音で話をするようになる。


この感覚は、
ケースワーカーという仕事の
醍醐味の一つかもしれません。


私が、相手を一人の人間として尊重する。

リアルな人生を歩んでいる
一人の主人公として
正対しながら付き合っていく。

そうすると、
相手も私を一人の人間として認めて、
正直に悩みをさらけ出してくれるようになる。

うそとか、はったりとかが
なくなっていく。

これって、他の業務では
なかなか味わえないものです。

通常だと、どうしても
組織を背負った発言とか、
立場上引き下がれないこととか、
そんなものに縛られながら
仕事をしますからね。

なんか、人間と人間とが
本音で接し合うっていう
貴重な体験をしたんだなと思います。

ケースワーカーから別部署に
異動した人の中で、
もう一度戻りたいって希望して
戻ってくる人がいるのですが、

たぶん、
この本音で向き合う感覚を
求めている面もあるんじゃないかなって、
そんなふうに私は思っています。


大変ですけれどね。

本音で真っ直ぐに仕事ができる。

それがケースワーカーという
仕事なのだと思います。



私はケースワーカーという仕事に携わり、
人と人との関係を築きながら、


人って、やっぱり一人ひとり魅力的だな。


そう感じることが多かったように思います。


ケースワーカーとして
私は決して優秀ではありませんでしたが、

一人ひとりの人間が持つ魅力みたいなものに
惹かれる感覚を持っていられたことで、
なんとかこの仕事をやり切ることが
できたのかな、
そんなことを感じています。


いまでも時々、
当時のケースワーカー仲間と
集まることがあるのですが、

「あんなことあったよね〜」

「あれ、びっくりだったよね〜」

「いやぁ、二度とないね、こんなこと」

なんて、
何年経っても
昨日のことのように
当時のエピソードを思い出しては
話しています。

そんなとき、
ケースワーカーそれぞれが
自分の担当していた方々に
思いを寄せていることが
伝わってきます。

あぁ、やっぱりみんな、
単なる仕事相手としてではなくて、
一人ひとりの、人としての魅力に
惹かれながら仕事をしていたんだなって、
話しながら、そんなことを
感じます。

この感覚、
ちょっと特別で不思議なものです。


やってよかった仕事だったなって、
今はそう、思っています。




2回に分けて
生活保護のケースワーカーという仕事のことを
書いてきました。

いかがだったでしょうか。


人ってむずかしくって、
ややこしくって、
わがままだったり、
甘えん坊だったり、
強がったり
弱虫だったり、
いろいろな側面を持っていますね。

一人の人間なのに、
いろんな顔を持っています。

そんな人間というものに、
どっぶりと向き合っていく仕事。

それがケースワーカーの仕事になります。

自分の限界も思い知らされることになりますが、
他には変えがたい経験になることは
間違いないと思います。

今もこの仕事は
全国でおこなわれているんですよね。

日々奮闘しているみなさまを
微力ながら応援したいと思います。



こちらの投稿は、主に自治体職員向けにその成長を支援する内容となっており、継続して読むことで、思考力、判断力、実行力の向上に役立ちます。

1ヶ月で関心のアンテナが立つようになり、
3ヶ月で思考の解像度が上がる。
6ヶ月で視野の深さと広さのレベルが上がり、
1年で判断力、実行力に格段の違いが出るようになる。
まちづくりを担う力をつけていきましょう。

こちらのマガジンにまとまっています。
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