本堂はどこにある? ーホン・サンスとザハ・ハディドの空間
ソウル在住の紀行作家チョン・ウンスクは「ホン・サンス映画の撮影地旅行にハズレなし」と前置きしたうえで、「14年の「自由が丘で」以降の作品は贅肉が削ぎ落とされているため、旅に駆り立てられる場面はそう多くない。」と言う。(a) たしかに「自由が丘で」(2014)の登場人物たちの生活する範囲は非常に限られており、舞台となった鍾路区(チョンノグ)に実在するカフェ「JIYUGAOKA 8丁目」やゲストハウス「ヒュアン」の周辺には、観光地や史跡が点在するにも関わらず、それらは劇中にはほと