寒の戻り
4月2日火曜日、晴れ
寒い。朝も夜も冷え込む。
薄手の上着で出てきたことが悔やまれる。
* * *
こんな感じで仕上げておいてくださいと頼んだものが自分のおもっていたレベルを下回っていたとき(人は自分の希望を伝え損なうものだし汲み損なうものだから、だいたいそういう残念な結果に終わる)、角を立てずにどう伝えたものか、悩む。
受け取り手が自分だったら、我慢すればいいのだけれど。それが他に回すマニュアルだとそのまま受け取って横に流すのも憚られる。「ねえ? あなたがそのマニュアルを受け取って仕事できる? ちょっと厳しくない?」と、そういう話だ。
僕が自分で自分の仕事のハードルを上げてしまっているんだろうか? しかしそもそも仕事をお願いしたときに、疑念を挟む余地がないほどに固めて渡したか? と自問すればそれもない。
とすれば、これは正直に「ごめんなさい、伝え方が悪かったです。この辺りもうちょっと膨らませて書いてください」とお願いする他ないだろう。すり合わせもせずに望むものが出てくるとおもうほうが間違っているんだ。
* * *
ちょっとだけ早めに仕事を上がり、分倍河原で待ち合わせて「佐とう」に行く。
お通し。
なめろう。
春キャベツと鶏の黒焼き。(この辺りで最初に頼んだ「二兎」が消えた)
あら炊き。
唐揚げ(カレイじゃない、なんだったっけ……)に高野豆腐の田楽。(ここを楽しんでいるうちに「高天」が蒸発)
締めに鳥雑炊。(最後は米焼酎「武者返し」をロックでいただいてました)
「おいしいね」「うん、おいしい」「とてもおいしい」
脳みそが溶けて語彙が失われた、会話ともつかぬ会話をしながら楽しく時を過ごしたそうな──。
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