秋葉原へのおつかい

6月26日水曜日、晴れ

今日も快晴。この梅雨はほとんど雨が降っていない。こんなんで大丈夫なんだろうか? もちろん雨は好きじゃないので、降るにしても夜のうちにしてくれるととてもありがたい。(そうね、あとは勤務時間中だけ、とか)

* * *

今日は水曜日。定時退社日ということで早めに退勤。帰ってから1時間くらいは弾けるかしらん? とおもっていた山手線でラインが入る。帰りにアキバでラーメン食べたんだけれど、お店に財布忘れたので取りにいきたいと。
いやいや今から行って戻ってってお前、3時間コースだぞ?(乗り継ぎがうまくいけば2時間半くらいかも)
こう、いろいろ言いたいことはたくさん浮かんだけれど口をつぐみ(というかラインには書き込まず)、引き取りに行くことを伝える。

秋葉原。

高校生大学生の頃は自作パソコンのパーツが手に入る日本屈指の聖地という概念で崇め奉る憧れの街だった。けれど東京に転勤を命ぜられてしばらくのち、妻にテレビに繋げられる(コンポジット出力を持つビデオカードを増設する)パソコンを一台組むために初めて訪れ──結局20年近くの歳月を東京で過ごしながら、秋葉原は(記憶が確かならば)2回しか行ったことがない。

(なんとなく知ってはいたけれど、)秋葉原はメイド喫茶の街に変わり果てており、そこかしこにミニスカメイド服の女の子が客引きをする非常に居心地の悪いところだった。
そして(後で聞いたところ「コラボ中だったから」とのことだけれど)財布を忘れたという件のラーメン屋は、アニメの女性が看板にどーん! と描かれ店内の壁、カウンター席の隙間、そこかしこにセル画調のの女の子の絵が飾られているという、これまた「違う、違うんだ! 僕は決してそんなんじゃ!」と大きな声で言い訳したくなる内装……。

もうやめて、僕のMPはゼロよ……!

忙しく働く店員さんに申し訳なく感じつつ声をかけると、すんなり話がとおり伝えられたとおりの外見を持つ財布を出してもらえた。(え? 身元確認とか、いらないの?)

* * *

帰宅したら9時を回っていたので、さすがにヴァイオリンは弾けず。仕方ない。諦める。

* * *

行きの山手線で10分程度、帰りは小一時間、『硝子の魔術師』を読む。う〜ん…… なんだかとっても色気づいちゃってるぞ? そういうのだけだと食傷しちゃうんだけどなあ。

え? エメリーに内緒で行動しちゃうの? それはどう考えても相談してことに当たったほうがいいでしょうに。

もちろん力ある人がともに行動したら、危機が訪れようもないから物語は盛り上がりに欠けてしまう。だから向こう見ずな状況をどうにかして発生させねばならない。それはわかる。
わかるんだけれど、(ジュブナイルならともかく)いい年をした(20歳の)女の子が無分別にも短慮の行動を起こすっていうのは興ざめだなあ。理知的で機転が利く、頭のいい話が読みたいです。

ところで「魔術師」は Magician の訳語だったみたい。 Wizard じゃあ、ないんだ……? Magician というと、ステージの上でマジックを披露する奇術師を想像する。
まあ折り紙に、あたかも命があるかのように振る舞わせる、という見方をするなら Magician の雰囲気の方が相当するんだろうとも思う。

最終巻の邦題は『真実の魔術師』で、その原題は “The Master Magician”。真実のというよりは修めし者、極めし者、だよな。ひょっとするとオチに関わるすれすれのものなのかも?

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