いつまでも、最高の友だち

今日はヴァイオリンを手にすることができなかった。その代わりに、シュウマイをたっぷり包んで蒸して、それを家族みんな喜んで食べてくれた。それを良かったと思わないと、だ。

さて、仕事ができなくなってそろそろ二ヶ月。いくらなんでも本業、プログラマーとしての勘を取り戻さないと。書きかけのプログラムを、ほら、一つでも書かないと。
そんな惨めな焦りが僕を後ろからつっつく。
でも、やっぱりあまりその気になれない。だからメールボックスを開く。
おや、このメールはなんだろう?

Best Friends Forever - Kickstarter is Live

ご存知ない方のために。
Kickstarter はクラウドファンディングをサポートする場所。「こんなことをしたい」という人が、これだけのお金を集めたいと、なにがしかのプレゼンをオンラインに乗せる。それを見て気に入った人は、いくばくかのお金を出すことを約束する。採算ラインに乗ったらプロジェクト成立。そこから作品づくりが始まり、できあがった暁にはプロジェクトのバッカー(支援者;バックアップしてくれた人)たちに、その始まりから(お金で)支えてくれたことを感謝してリワードが送られる。小さなところでは製品のマニュアルに名前が乗るだとか、最小セットの製品が手に入るとか。そんなお礼。

さて。 Best Friends Forever(いつまでも、最高の友だち)。
サブタイトルが “The rpg of girlhood, friendship, and adventure”。
女の子だった頃の、友情の、冒険のロールプレイング。

ごめん。もう、これだけで妄想が暴走。ご飯三杯、白米をおかずにして食べられるくらい。(どうでもいいけれど、僕はほんとうに炭水化物に目がなくて、気がつくとコメとか麦とかパンとかパスタとか、そんなものを食べている)

Kickstarter からのメール本文が、素敵だったので勝手に引用する。してしまう。宣伝してねって書いてあるし、うん、宣伝宣伝。

Dear Deerniclub,
When my mother came to me with her idea for a game about friendship, I had no clue I was about to totally change the way I made games.
2 Years later, our Studio has become a hub of creativity where each day we work side by side, hashing out ideas and telling dumb jokes.
Downstairs our workshop has become a community event space, where people come for game nights, playtesting sessions, and to be inspired in their own work.
Outside of Olympia we've formed relationships with amazing designers and artists, who to lend their support and expertise to our projects.
I used to be this lonely wizard in a wizard's tower and now I'm surrounded by all these rad folks! Should I be so surprised that a game about friendships would inspire so much friendship in its making? Maybe not.
Anyhow, my sincerest thanks goes out to all of you who have backed our projects in the past, and supported us by purchasing our games to share with your family and friends. You made BFF possible, and I'm letting you know before anyone else that our Kickstarter is Live!
So come checkout the results of all our hard work. Download the rules. If you back at any amount you can even download a preview of the game to try out right now!
Also, if you know anyone you think would be interested, please help us out by spreading the word online.
Thanks so much for your support!
Sincerely,
Ross

以下、僕なりの訳。

親愛なるヒトツノジカクラブの皆さま、
母がゲームのアイデアを抱えて私を訪ねてきたとき、それが私のゲームづくりをすっかり変えてしまうなんて思いもよりませんでした。
2年が過ぎて、私たちのスタジオは創作の中心地になりました。私たちは並んで仕事をして、アイデアを詰め、時にくだらない冗談を言いあいます。
階下でのワークショップはコミュニティのイベントの場に成長しました。そこではゲームの夕べ、テストに次ぐテストプレイが開催され、お互いの仕事に刺激を受けあったりしています。
ここオリンピアの外では、驚くばかりのデザイナーやアーティストとの協力関係ができていて、彼らは私たちのプロジェクトに惜しみない助力をしてくれます。
かつて私は、ただ一人、自分の塔に閉じこもった孤独な魔法使いでした。今や私は、こんなにも素晴らしい仲間たちに囲まれています。友だちを題材にしたゲームが、これを作る過程で実際にたくさんの友だちを作り上げたことを、私は恐れ入るべきなのでしょうか? いや、そうではないと思うのです。
いずれにせよ、私の心からの感謝を、かつて私たちのプロジェクトを支えてくれた皆さま全員に、私たちのゲームを購入しご家族やご友人と遊んでくださった皆さま全員に、捧げます。皆さまが BFF(いつまでも最高の友だち)を支えてくださったのです。ですから真っ先に、新たに Kickstarter プロジェクトが始まったことをお知らせしますね。
ぜひいらっしゃって、私たちが成し遂げた成果をご覧になってください。ルールを読んでみてください。いくらかでもお支払いくださったら今すぐにプレビュー版をダウンロードしてご試遊いただけます!
また、ご興味をお持ちいただけそうな方をご存知でしたら、ぜひお伝えください。
ご協力に感謝いたします!
心から、
ロス

プラモデルをつくることも大好きだったし、山の中に秘密基地をつくって焚き火で遊んだりもした僕だけれど、その僕は少女漫画も大好きだった。だからなのか、女の子の友情にも、胸をしめつけられるような憧れを感じる。
僕は王子さまになりたいのかもしれないし、ひょっとしたら王子さまに連れ去られたいのかもしれない。よくわからない。

テーブルトークという単語に取り憑かれて、遊びたくてどうしようもなかった高校生の頃。それから四半世紀過ぎ、その夢は未だに叶っていない。テーブルトークでなくても、だけれど、でも。
違う世界を言葉で立ち上げて、お互いの言葉で世界を広げ、恋し、争い、協力して、その世界の始まりから終わりまで、見届けるような遊びを、いつか、してみたい。

ところで。
この Best Friends Forever のルール、ご興味があるようでしたら訳をつくってみますのでお気軽にコメントください。

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