読書感想文 『スイミー』
春。新生活の季節到来だ。
新宿2丁目のゲイバーの片隅にも、おっかなびっくりといった様子で烏龍茶などをすすっている若者なんかが、ちらほら散見される。
その姿はまるで突然親の懐から大海に放り出された小魚のようだ。
かつての俺がそうであったように。俺だけではない、この街にいる多くのゲイが、そうであったように、だ。
絵本作家、レオ・レオニ(言いづらい…)著の絵本『スイミー』を初めて読んだのは、小学校の教科書だった、という人は多いだろう。うーん、多分俺もそうだった。何しろ随分昔のこと