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西巣鴨の読書会

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趣味で主宰している読書会で取り上げた本について、書いた物をアップしています。 同棲愛ネタにはその都度触れたり触れなかったりです。
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記事一覧

読書感想文 『酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす』

自分にとって酒を飲むことと、誰かに恋をする(あるいは欲望に任せて誰かと寝る)ということは…

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読書感想文『透明な夜の香り』

池袋駅東口の横断歩道をぼんやり歩いていたら、とても懐かしい香りとすれ違った。 週末の池袋…

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読書感想文 『まずいスープ』

料理とは、結局のところバランスだ。 なんて、料理などろくにしない俺が言ってみる。 いや、料…

読書感想文 『潮風キッチン』

今年もこの季節がやってきてしまった。 桜が散って一気に気温が上がり始め、新芽や新緑がぐん…

読書感想文 『インドでわしも考えた』

夕暮れ時、近所のインドカレーのお店の前を通ると、その香りに切なさが込み上げて胸がキュッと…

読書感想文 『i』 (西加奈子)/Gという記号

多様性とか、個性とか、それぞれの形とか、フェミニズムとか、アイデンティティとか、だれでも…

読書感想文 『スイミー』

春。新生活の季節到来だ。 新宿2丁目のゲイバーの片隅にも、おっかなびっくりといった様子で烏龍茶などをすすっている若者なんかが、ちらほら散見される。 その姿はまるで突然親の懐から大海に放り出された小魚のようだ。 かつての俺がそうであったように。俺だけではない、この街にいる多くのゲイが、そうであったように、だ。 絵本作家、レオ・レオニ(言いづらい…)著の絵本『スイミー』を初めて読んだのは、小学校の教科書だった、という人は多いだろう。うーん、多分俺もそうだった。何しろ随分昔のこと

読書感想文 『孤独のチカラ』

「あいつら、また一緒にいるよ」 「女子高生かよ」 こんな陰口を叩かれることは、しょっちゅ…

読書感想文 『ジェントルマン』

あまり誉められた言い方ではないかもしれないが、恋愛には必ず大なり小なりの力関係、つまりイ…

読書感想文 『谷川俊太郎詩選集1』

ある朝、目が覚めたら新宿ゴールデン街のゴミ捨て場だった。 あれは確か26、7歳の頃のこと…

読書感想文 『アル中ワンダーランド』

俺は今33歳。 ぶっちゃけると、20代の頃の記憶が曖昧模糊としている なぜならずっと酔っ払…

読書感想文 『錦繍』

前略 お久しぶりです。お元気ですか。 東京は相変わらず、否、年々暑さが増して行くように感…

読書感想文 『夫のちんぽが入らない』

「『夫のちんぽが入らない』?たったそれだけのこと、それがそんなに大ごとか?」 断ずるのは…

読書感想文 『鞠子は素敵な役立たず』

突然だが、かつてヒモだったことがある。 ヒモ、という人種にみなさんは出会ったことがあるだろうか。 ヒモとは主に自力で生活せず女性に養ってもらっている男性のことで(俺はゲイなので男性に養ってもらっていたけれど)その語源は海女さんが海に潜り漁をしている間、その体につけた紐を海の上でぼんやり握っている男の姿のことだとか、或いは「財布の紐を緩める」という言葉からきているだとか、まあ諸説ある。 テレビドラマだと『きみはペット』の松潤や志尊淳、『ヒモメン』の窪田正孝などの顔面偏差値S判