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【デザイン】プリント手法について
洋服をデザインをする上で、最も基本的な表現方法として"プリント"があります。
しかし、一口にプリントTシャツといっても様々な質感のものがありますよね?
何プリントかわからないけどなんか格好いい!可愛い!
プリントにはたくさんの手法があり、どれを選択するかによって仕上がりが変わってきます。
今日はプリント技術にフォーカスして、ディグしていきたいと思います。
【プリント手法】
プリント手法は大きく分けて3種類に分かれます。
シルクスクリーン
ラバー転写
インクジェット
1.シルクスクリーン
衣服の表面に当てたメッシュ状の版に、インクを引き伸ばし、版画のようにプリントするポピュラーな手法。
色ごとに版を変えながら順番にプリントをしていくので、1色ごとに版が必要となります。
アパレルなどで大量生産時のTシャツ製作において、最も代表的な方法の1つです。
【メリット・デメリット】
○大量生産
事前に版を作成する為、多くTシャツを生産すればするほど製版代の負担額が安くなる。
○特殊インク
インクを調合することで、様々なインクが使用可能。(金銀/ラメ/発泡など)
○発色
色を生地の上に乗せて熱乾燥させるため、色が生地に沈みにくく、生地色に影響されにくい。
○汎用性
様々な素材のものにプリント可能(綿・ポリエステル・ナイロン...)
▲少量生産
少量生産だと製版代の元が取れず、一枚あたりの値段が高くなってしまう。
▲即日生産
印刷前に製版とインクの調合などの前準備が必要。また、リピート生産に備えて版を保管しておかなくてはならない。
▲複雑なデザイン
写真やグラデーションなどのフルカラー印刷、細かいデザインの再現が困難。
2.転写
デジタルデータを元に作成したラバーシートをデザインに沿ってカットし、熱圧着で生地に貼り付ける手法。
単色のラバーシートをカットして圧着する『単色ラバー転写』
インクジェット対応のラバーにフルカラー印刷したものを圧着する『フルカラーラバー転写』
主にこの2種類の手法があります。
【メリット・デメリット】
○即日・少量生産
製版する必要がないので、小ロットですぐに生産できます。
○番号や名前など単純なロゴに最適
1枚ごとにデザインを変更可能。
○特殊カラー
様々なラバーシートが使用可能。
(金銀/ラメ/発泡など)
○汎用性が高い
生地にラバーシートを貼り付ける手法なので、生地素材や色が変わっても同一の仕上がりになる。
○フルカラープリント
写真やグラデーションなどフルカラーのデザインをプリントできる
▲大量生産
シートカット後、余分なラバー部分を手で取り除かないといけない為デザインによって大量生産に向いてない。
▲複雑なデザイン
小さな文字、細い線、細かな輪郭などはカットな困難な場合があり、またカスの取り除きに時間がかかる
▲ラバーシートの在庫
様々な色を使用する場合はそれに応じてラバーシートの在庫が必要。
3.インクジェット
専用のインクジェットプリンタを使用してデザインをプリントする手法の総称です。いわゆる紙プリントの衣服版。
衣類に直接プリントする『ガーメントプリント』
専用シートにプリントして転写シートを作成し、熱圧着で生地にデザインのみをのせる『DTF(Direct to Film』。
転写シートのインクのみを熱圧着で生地にのせる『昇華転写プリント』。
などがあります。
【メリット・デメリット】
○小ロット・即日生産
版を作る必要がなく、手軽に必要な枚数を作成できる
○フルカラープリント
色数に制限がなく、写真・グラデーションなどフルカラーのプリントが可能
○可変情報のプリント
デジタルデータなので、デザインを一部を変更しながら生産することができる
▲大量生産
制作枚数を増やしても1枚あたりのコストを削減しにくい
▲特殊カラー
特殊カラーの表現がしにくい
(金銀/ラメ/発泡など)
▲生地の汎用性
インクの種類によっては使用できる生地に制限がある。
【プリント表現】
さてプリント技法について触れましたが、どんなインクを使用するかでデザインのニュアンスが変わってきます。
どんな表現方法があるのか見ていきましょう。
1.染込み
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淡色ボディに用いるインク。
生地に直接インクを染み込ませるので、生地の雰囲気を残したままプリントできます。また、ラバーに比べてプリント部分の質感が柔らかく仕上がります。
2.ラバー
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072303/picture_pc_f420a34d14dc0d2302d746ad24eb969b.png?width=1200)
濃色ボディに定番的に使用されるインク。染込みと違い、インクが生地の上にベタッとしっかりと乗ります。
3.半ラバー
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072448/picture_pc_96c04a31e98bc7d845a1aff40f7e53ba.png?width=1200)
染込みとラバーの中間に位置するインク。
濃色ボディにもしっかりとインクが乗りつつ、ラバーに比べるとベッタり感が少ないです。
インクを乗せた場所はやや下の生地感が残ります。
4.クラック
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072456/picture_pc_75f049b0241bc0e523f2b3c86cfd19db.png?width=1200)
ヴィンテージウェアに見られるプリントがひび割れた雰囲気を表現できるインク。インクの種類も豊富で様々な割れ感を表現できます。
5.フロッキー
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072479/picture_pc_f8a448e8fca12ff1988e094bb1600096.png?width=1200)
植毛されたシートをTシャツに貼りつける技法。デザインにやや立体感と温かみが出ます。
6.箔
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072493/picture_pc_a02dc4a19efba678658801bfad7d38c7.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072502/picture_pc_e69a9f51e9fd8abd053a6aabd64a0eaf.png?width=1200)
プリントを派手み見せる特殊インク。
金銀以外にも様々なカラーがある。
またかすれ具合も調節ができ、ヴィンテージウェアのような雰囲気も表現できる。
8.発泡
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072518/picture_pc_8828679dfd12f02afe5e0fdd4f635a8e.png?width=1200)
プリント後に熱加工をすることで立体感の出る特殊インク。高発泡・低発泡のインクを使い分けることで表現の幅が広がります。
9.キューブ
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072550/picture_pc_ec84842a0737224420ee8c9127598c6b.png?width=1200)
発泡に似ていますが、キューブの方が角にエッジが効いていて、質感が硬いです。
10.ジェル
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111072569/picture_pc_db33f4534c8a98707358f2b47bf40465.png?width=1200)
透明インクを使用してジェル特有の艶を表現できます。
生地の質感を活かす際やラバープリントの上に重ねて艶を添付する際によく用います。
いかがでしたか?
皆さんのお気に入りのTシャツは何プリントでしたか?
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