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【歴史】チェックの種類と歴史
僕らにとって身近な柄と言えば...?
そう聞かれたらチェックを思い浮かべる方も多いはず。
チェックシャツは誰もが1着は持っているのではないか?というほどポピュラーな洋服です。
皆様が持っているそのチェックシャツ。
何チェックかご存知ですか?
僕も服屋で働いていながら、これ何チェックだっけ?という場面は多々あります。正直違いがわからないチェック柄も…笑
そこで今回あらためてチェックについて皆さんと一緒に掘り下げていこうと思います。
そもそもチェック柄とは?
どんなものでも格子模様になっていればチェックと呼んで良いそう。
また、Check(チェック)と同じ意味で、Plaid(プラッド)もあります。
(厳密に言えば違うらしいのですがほぼ同義語として扱われています。)
柄が大きいとスポーティーな印象に、細かいと上品な印象になりますね。
たくさんのチェック柄が存在し、それぞれに意味とルーツが存在します。
大きく分けてイギリス系とアメリカ系に分かれます。
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出自がはっきりわかるものはそれぞれの国名を記載します。
それでは、代表的なチェック柄を紹介していきます。
【🏴タータンチェック】
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スコットランドに起源を持つタータンチェック。
これから紹介するチェックの中でも最も伝統があり、無数のチェックが存在します。
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16世紀ごろハイランド地方にはクラン(氏族)と呼ばれる小さなコミュニティがたくさんありました。人々は自分たちが征服した地域を表すデザインの布を身につけることで敵味方を区別していました。これがタータンチェックの起源です。
タータンチェックと呼ばれる基準は多々ありますが、太さの異なる線を組み合わせた格子柄を指します。その組み合わせは無限にあり、スコットランド政府管轄のスコットランド・タータン登記所に承認されればタータンチェックと正式に名乗ることができます。
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また、タータンチェックにはその出自と用途によって種類が分かれます。
①ミリタリー・タータン(軍隊)
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(ハイランド地方の軍隊)
②ロイヤル・タータン(王室)
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(エリザベス女王愛用の柄)
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(王家スチュアート家の為にデザインされた柄)
③クラン・タータン(家柄・家紋)
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(ゴードン家のディナーの正装用)
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(マクラウド家の紋章)
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(米McGREGORの創業者デビッド・ドニガーは
スコットランドのマクレガー家の紋章やチェックを使用した)
④ディストリクト・タータン(地域)
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(ローランド地方の争いの"中立"を示す意味)
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(グレンアークハート渓谷一帯で織られていた柄
当時は"喪服")
【🏴➡︎🇺🇸 アーガイルチェック】
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細いラインと菱形の連続で構成されたチェック柄を指します。
スコットランドのアーガイル地方のキャンベル家が代々受け継いできたクラン・タータンなのですが、その一般的なタータンと全く違う柄なのでここでは分けてご紹介します。
元々は靴下に使用されてきた柄でしたが、それをファッションアイテムとして昇華させたのがBROOKS BROTHERSでした。それからセーターやカバンなど様々なアイテムに使用され、アメリカから世界に広がっていきました。現在は後述のマドラスチェックと並んで、トラディショナルスタイルを代表するチェック柄と認知されています。
【🏴ハウスチェック】
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ハウスチェックは先ほどのスコットランドの伝統的なタータンチェックと出自が違い、ファッションブランドが独自に開発したブランドを象徴するチェック柄を指します。
代表的なブランドとして、
多くのハウスチェックを持つBURBERRY(バーバリー)。
BURBERRYとならんでトレンチコートが有名なAquascutum(アクアスキュータム)。
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こちらも複数のハウスチェックを持つTHE SCOTCH HOUSE(スコッチハウス)などが挙げられます。
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※スコッチハウスはスコットランド・タータン登記所にタータンチェックとして登録済み。
【🇺🇸バッファローチェック】
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赤や青、緑や黄色などをベースカラーに、薄い黒のラインを重ねて交差する部分を濃い黒にした格子状の柄のことを指します。同ピッチの帯で構成されているのもポイントです。
ネルシャツやハンティングジャケットなどに多いチェック柄ですね。
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起源は諸説ありますが、有力な説としてハンティングウェアで有名なWOOLRICHが1850年ごろに最初に開発したと言われています。
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森の中でハンティング中に仲間を誤射しないように、コントラストのはっきりした視認性の高いこのチェックが採用されました。当時のデザイナーがバッファローの群れを飼っていたことからこの名前がついたそうです。
猟師の為のチェック柄。
この柄から受ける漢らしい印象はそういった背景からだったのですね。
※ブロックチェックとの違い
ブロックチェックは、2色の正方形で構成されたチェックの総称です。なので、バッファローチェックもブロックチェックの1種と言えます。
【🇮🇳➡︎🇬🇧➡︎🇺🇸 マドラスチェック】
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インドの南東部のマドラス(現在はチェンナイ)で織られたチェック柄で、ぼんやりと染めによるにじみ感ある色模様が特徴です。
タータンチェックに比べ、鮮やかで爽やかな色合いが多いです。
その起源は17世紀に遡ります。
当時のインドはその手作業による丁寧なものづくりによって、世界一の綿織物技術を持っていました。
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そこに目をつけたイギリス・東インド会社によって、ヨーロッパにインド綿織物が持ち込まれ、ヨーロッパの上流階級に人気を博しました。
諸説ありますが、その時駐留していたイギリス人らの影響でタータンチェックにようなチェック柄が誕生したのではないかと言われています。
それから時は流れ、マドラスチェックの舞台はアメリカへ移ります。
1920年代、またもやBROOKS BROTHERSが初めてファッションアイテムとしてマドラスチェックを採用したと言われています。今でもブランドのアイコンの一つですね。
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そして、1960年代は名門大学に通う学生達がファッションの流行を牽引していました。所謂アイビールックです。
そんな彼らの目にマドラスチェックがとまります。シャツにとどまらず、ショーツやジャケットでも使用されるようになります。
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ヨーロッパの上流貴族からアメリカの御坊ちゃまが愛したチェック。まさに上品で小洒落たイメージですね。
【🇺🇸オンブレチェック】
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フランス語で陰影や濃淡を表す"ombrer"が語源で、ボカシの効いた境目がはっきりしない格子柄を指します。
元々は50年代ごろの一般的なチェック柄だったのですが、先ほど紹介したマドラスチェックとは対照的なストーリーがあるのがこのオンブレチェックです。
50年代には次第にバイカー達が愛用するようになり、
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70年代の西海岸が舞台で、伝説的なスケートチームZ-BOYSを題材にした映画”Lords of Dogtown”では、Jay Adams(ジェイ・アダムス)が。
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90年代にはグランジロックの象徴Kurt Donald Cobain(カート・コバーン)が愛用しています。
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こういった背景から不良を連想させるチェック柄です。
映画アウトサイダーでは、オンブレチェックを着た不良グループと先ほどのマドラスチェックを着た富裕層グループの対立が描かれています。
【🏴ギンガムチェック】
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白ともう1色の単色で構成された同じ幅の帯で構成されたチェック柄を指します。
元々はマレー語でストライプを表す"genggang "が由来とされています。
18世紀のイングランド・マンチェスターで初めて織られたとされています。
【🏴シェパードチェック】
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2色使いで、ギンガムチェックの交差していない部分に斜めに線が入ったチェック柄を指します。
スコットランドで羊飼い(シェパード)が最初にこの柄を使い始めたとされていることからこの名前がついたそうです。
【🇺🇸ガンクラブチェック】
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同色の濃淡、もしくは2種類以上の色を用いたハウンドトゥースやシェパードチェックをガンクラブチェックと呼びます。
1875年アメリカ東部の狩猟クラブが結成された時のユニフォームに由来しています。カントリージャケットの代表的な柄です。
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【🇬🇧ウィンドウペン】
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単色の細い線を交差させ、四角形を作り”窓の格子”のように見えるチェック柄。
伝統的なイギリスの窓は、細い枠で細かく区切られたものが多いことからそう名付けられています。window(窓) pane(枠) と和訳も窓枠です。
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おわりに
いかがでしたか?
代表的なチェック柄を一挙に紹介しました。
たくさんあってちょっと混乱しますね。
普段何気なく目にしていたチェックにはそれぞれルーツがあったのですね。
皆様が持っているチェックは何チェックでしたか?
今後も歴史を切り口にファッションが何倍も面白くなる記事を執筆していきますので、よかったらスキ・フォローお願いします。
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