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発散収束の習熟度ごとに、手順の違いがあるかもしれない

収束発散の過程について調べてみると、その方法については色々な情報が得られますが、そこでの頭の使い方がどうなってるのか、みたいな話はあまり聞くことがありません。
僕もこのあたりのことについて、最近もんもんと考えていたのですが、習熟度合いと思考過程にはいくつか類型がありそうだという直感を得たので、そのことを書きます。

もしかすると、以下のような悩みを抱えている方のヒントになるかもしれません。

  • 漠然とアイデアを出しても、うまく行かないと感じている

  • 多くのものを参考にしているのに、正解っぽいものが得られない

  • 最終的に出来上がったものに、統一感やコンセプトを感じられない

発散と収束は、こういう図で示されることが多いですよね。特にデザインに関わる人にとっては、かなり馴染みのある図です。

この図がもたらすイメージは、多分「たくさんアイデアを出して、そこから絞り込む」というものです。大まかな概念としては正しいように思っています。

発散の過程は、調査、事例収集、ブレインストーミングのような手法によって行われ、また収束にもKJ法や表にまとめるといったやり方があります。
※なお、調査や事例収集って発散に入るの?という方もいるかもしれません。ですが発散の過程が、とにかくアイデアを並べるプロセスであることを思い出すと、それが発散であると捉えられるかと思います。

確認的・模倣的な発散収束

  1. アイデアを収集したり、出したりする

  2. 得られたアイデアを整理分類する

  3. 目的にマッチするものを選ぶ

これはどちらかというと、既存のものが目的に対してマッチするかを偶然に頼っているのと同じで、さもなくば単なる確認作業になってしまいます。個人的にはあまり良い方法ではないように思います。これはアイデア出しの初学者が陥りがちなパターンのように思います。

方針や軸を探す発散収束

  1. アイデアを収集したり、出したりする

  2. 得られたアイデアを整理分類する

  3. 方針や軸と言えるものを抽出する

  4. 方針や軸に基づいて、評価を進めたりする

この進め方は、具体的なものを作るシーンでしばしば見られます。説明として聞く上では論理的な手続きのようにも思えて、納得感を作りやすい方法かもしれません。
ですが、ここでいう方針や軸というのは、実は事前に持っていた物差しがあらためて現れたような感覚を持つことも少なくありません。
「やる前からわかっていたこと」をあらためて見出すというのは、手の込んだ確認作業と言い換えられます。説明の道具にはなりそうですが、創造性を十分に発揮した、とはまだ言えないかもしれません。

新しい解釈を探す発散収束

  1. アイデアを収集したり、出したりする

  2. それぞれのアイデアを深く観察・吟味する

  3. アイデアを整理分類する

  4. 新しい解釈の可能性を探る(バイアスを壊す)

  5. 新しい解釈に基づいて、全く別のものを生み出す

ちょっとまだうまく言えてない感じがするのですが、少なくともやり方としては存在を確認しています。例えば「付箋を貼って進めていくアレ」は、ただ付箋を貼っているわけではない」という記事にこれと似た頭の動きがシンプルな事例で表現されています。「SHIFT:イノベーションの作法」にも似たような頭の使い方が書かれています。

「アイデアを観察・吟味する」という手順が異彩を放ってますが、直感的にいる気がするんですよね…。

ぼんやりした直感に基づいて書いてるので、正しいのかどうかは全然わからないんですが、こういうレベル感というか、捉えられ方の違いは確かにあるんじゃないかなぁと思います。もう少し色々な活動を観察して知見を深めていきたいです。

この記事はroot Advent Calendar 2022の記事です。


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